洋上風車にタイムカプセル 能代市内小学6年生の手紙保管へ
丸紅洋上風力開発の社員が講師を務める特別授業(能代市第四小で)
能代、秋田両港の洋上風力発電所を管理する丸紅洋上風力開発(東京)は、能代市内の小学6年生を対象に、未来の自分に宛てた手紙などをタイムカプセルに入れて洋上風車のタワー内部で保管するユニークなプロジェクトを進めている。3月23日に行うタイムカプセルの記念イベントに先立ち、市内小学校で国連が定めたSDGs(持続可能な開発目標)や洋上風力などをテーマにした特別授業を行っている。同社によると、風車の内部にタイムカプセルを保管する取り組みは国内初という。
能代港の洋上風車20基は昨年12月、秋田港の13基は今年1月に運転開始した。商業ベースでは国内で初めてとなる大規模な洋上風力で、丸紅(東京)が主導する特別目的会社(SPC)「秋田洋上風力発電」(AOW)が約1千億円を掛けて建設した。
タイムカプセルプロジェクトはAOWが企画。国連がSDGsの数値目標達成を目指す2030年に20歳を迎える市内の全7小学校の6年生が対象で、「未来の自分」「地域の自分」をテーマに自分宛ての手紙を書き、来月の卒業までにタイムカプセルに詰める。箱形のカプセルは能代港の洋上風車7基のタワー内部に30年まで保管する。1小学校に風車1基を割り当てる計画で、はまなす展望台付近から見える防波堤そばの風車を選ぶ。
カプセル企画に先立ち、希望のあった市内の3小学校で今月から特別授業を行っている。授業は1校に付き1コマ(45分)の講義形式で、AOWから管理を請け負う丸紅洋上風力開発が行う。同社員が講師を務め、SDGs、再生可能エネルギー、洋上風力などをテーマに授業を進める。
20日は第四小で行い、6年生約80人が参加。丸紅洋上風力開発能代運転管理所の菅井幸来所長が、二酸化炭素などが原因の地球温暖化や洋上風力のメリット、デメリットを説明した。
羽根の最高到達点まで約150㍍ある能代港の洋上風車の海面に見える基礎部分だけで24㍍に及び、城郭灯籠として日本一の高さを誇る能代七夕「天空の不夜城」の「愛季(ちかすえ)」(24・1㍍)と同じ高さなことを説明すると、児童らはスケール感に驚いていた。
タイムカプセルの記念イベントは、3月23日に秋田市で行われる能代、秋田両港発電所の竣工(しゅんこう)式の会場で実施。能代市内の全7小学校から男女2人ずつ計14人が出席し、代表児童がスピーチする。カプセルはAOWが風車のタワー内に納める。7年間保管し、30年に各校代表者に連絡し、AOWが「二十歳の集い」会場に届け開封する計画だ。
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