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中原中也の初期の代表作「朝の歌」の直筆原稿が見つかる 記念館に展示【山口】

 山口市出身の詩人、中原中也(1907~37年)の初期の代表作といわれる「朝の歌」の直筆原稿が新たに見つかった。湯田温泉1丁目の中原中也記念館(中原豊館長)が発表した。「サーカス」などの代表作に直筆原稿が残っていない中で、全文が出てきたのは貴重という。    

 「朝の歌」は26年5月に初稿が作られ、改稿を経て29年に雑誌「生活者」に発表。34年に詩集「山羊(やぎ)の歌」に収録された。発見された原稿には署名がないものの、「歌」の字に見られるはらいや崩し方の特徴的な筆跡と、原稿用紙が愛用した縦26㌢、横35・7㌢の文房堂製であることから直筆と認定。けい線の欠け具合や本文の異同から「生活者」に発表されたものと同じ29年ごろに書かれたと推定される。   

 最終形が全行に分かち書きされ、偶数行の行頭の2字下げがあるのに対し、発見された原稿は、2連2行目と4連の1行目だけに分かち書きがなされ、行頭が統一されている。29年の段階で完成形にもある「樹脂」に、じゅしと振り仮名がなされている点などが中也の創作過程を考える上で参考になるという。   

 「朝の歌」は詩作の出発点となり、自伝「詩的履歴書」の中に「『朝の歌』にてほゞ方針立つ。」と記すほどの転機となったとされる。中原館長は「朝という爽やかなものに対して倦怠(けんたい)感という対照的な感覚を描き、その中にまどろむという着想に中也らしさが表れている」と話す。   

 昨年7月に東京都内であったオークション、七夕古書大入札会で同館の学芸員が発見した。   

 その他、大分県出身の詩人、瀧口武士に宛てた書簡も見つかった。瀧口は、短詩運動や新散文詩運動の旗手として文芸雑誌に作品を発表し、中也とは対照的な前衛的な作風といわれる。中国・大連で小学校教員をしながら同人誌「鵲(かささぎ)」を発行しており、書面からは瀧口が中也に「鵲」を送付していたことが読み取れる。   

 これまで中也の日記から両者の交流はあったとみられていたが、この書簡が裏付けとなり、中也の詩作への影響を考える上で参照となり得るという。古書店のカタログにあったものを購入して入手した。   

 いずれも18日の同館の開館記念日に合わせ19日まで同館で展示している。時間は午前9時~午後5時。問い合わせは同館(電話083-932-6430)へ。

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