諏訪湖のおやこはくちょう丸 来月末で運航終了

11月末で運航終了となる遊覧船「おやこはくちょう丸」
ぬのはん(諏訪市)は、遊覧船「おやこはくちょう丸」(大人178人定員、82トン)の運航を11月30日で終了し、廃船にする。利用者数が減少し、船舶事業の経営を圧迫しているのが理由。同社の遊覧船は2隻から1隻体制に縮小して継続する。加藤明博社長は「遊覧船は諏訪湖のシンボルなので、やめてしまうことは観光に携わる人に申し訳なく思う」と話している。
同社によると、おやこはくちょう丸は1991年6月に旧遊覧船の後継として導入された。当時は別会社が運航していたが、7年ほど前にぬのはんのグループ会社が同船を購入。昨年5月からは、ぬのはん船舶事業部が運航を受け継いでいる。
以前に比べて乗船する団体客が減少し、加藤社長は「夏場とゴールデンウイーク以外は客が集まらない」と話す。運航初年度の91年シーズンにピークの約7万人だった利用者数は、昨シーズン(2016年3月~17年2月)には約1万2000人にまで減っている。
遊覧船は維持管理費の負担も大きい。国土交通省北陸信越運輸局が船の安全性を点検する5年に1度または運航7000時間以内の定期検査は1回当たり数百万円かかるという。年1回の中間検査もあり、費用負担がネックになっていた。
12月以降の遊覧船観光は小型船舶「いるか号」(大人45人定員、18トン)で受け入れる。塗装の塗り替えなど来年5月の大型連休をめどにリニューアルする方針。同社が運営する諏訪湖釣船センター(同市渋崎)も継続する。
これまでのおやこはくちょう丸の利用に感謝し、11月24~30日に諏訪市民対象に感謝デーを行う予定。料金を大人450円(通常900円)、子ども200円(4~12歳、同450円)に設定し、多くの人に乗船してもらう。
諏訪湖ではこのほか、アルピコグループの諏訪湖観光汽船が遊覧船の「すわん」と「竜宮丸」を運航している。
関連記事
行動制限ないGW 諏訪地方の観光も好調な入り込み 長野県
春の大型連休(4月29日~5月8日)の長野県・諏訪地方の観光入り込み数は、コロナ前水準への完全回復とはいかないものの、おおむね好調に推移したようだ。期間の初めを除いて好天に恵まれたほか、3年ぶ...
八色木薬師堂「薬師瑠璃光如来像」御開帳 世界平和願い初の一般公開(鶴岡)
鶴岡市の藤島八色木薬師堂で8日、お堂に祭られている「薬師瑠璃光如来像」の御開帳が始まった。これまで12年に1度の寅年に八色木地区民しか見ることはなかったが、お堂を管理する堂主の海藤徳之さんと羽黒町手...
文化財デザイン「おたからカード」 長野県伊那市内の文化施設で配布
長野県伊那市教育委員会は、市内の文化施設を巡ってもらおうと、所蔵する文化財をデザインした「おたからカード」を作成した。歴史的資料や絵画、土偶など10種類を300枚ずつ用意。博物館や美術館などを...
「みどりの日」新緑の藤里町高山を散策
白神山地世界遺産センター藤里館活動協議会主催の自然観察会「第22回みどりの日の集い」は4日、藤里町で開かれた。時折雨が降り、強めの風が肌寒く感じる天気で山頂からの見晴らしにも恵まれなかったも...