衆院選挙区画定審議会（会長・川人貞史帝京大教授）は１６日、小選挙区の１０増１０減に伴う区割り改定案を決定し、岸田文雄首相に勧告した。見直し対象は山口を含む２５都道府県の計１４０選挙区で、都道府県数、選挙区数とも過去最多。山口は１減の３選挙区となり、宇部市と山口両市は新１区、山陽小野田市は新３区に振り分けられた。

　県の新しい区割りは、１区が宇部、山口、防府の３市。２区が岩国、柳井、光、下松、周南の５市と周防大島、和木、上関、田布施、平生の５町。３区が下関、長門、萩、美祢、山陽小野田の５市と阿武町。山口市と周南市では二つの選挙区への分割が解消された。

　６月の選挙人名簿登録者数で見ると、新１区は３９万７９６人、新２区は３８万７９３８人、新３区は３５万６８４８人となる。

　岸田首相は勧告を受け、「直ちに国会に報告し、勧告に基づき必要な法制上の措置を講じていく」と表明。改定案を反映した公職選挙法改正案を、今秋に召集が見込まれる臨時国会に提出する方針を明らかにした。

　山口３区選出の林芳正外務大臣は事務所を通じ「政府の一員として具体的発言は差し控えたい」とコメント。宇部後援会の酒田三男会長は「新しい区割りは想像していたのと違ったので、戦略を練る必要がある。できるだけ早く役員会を開いて対応を考えたい。ただ言えるのは、与えられた選挙区で頑張るしかないということ。軽々しくは言えないが、公認の調整は難しくなると思う」と気を引き締めた。地元の自民党各支部は「県連と連携を取りながら、対応していきたい」とした。

　村岡嗣政知事は「山口市と周南市において、分割が解消され、県の意見が反映されたと受け止めているが、県選出議員が減少する改定案が勧告されたことは大変残念なこと」とコメントを出した。