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KOSEN版ウェザーステーション 鶴岡高専専攻科 皆川さんと齋藤さん開発 農家が知りたい気象情報分かりやすく 実証実験で成果 国際学術誌に掲載

 鶴岡市井岡の鶴岡高専専攻科生産システム工学専攻電気電子・情報コース2年の皆川大地さん(22)=酒田市立東部中出身=と齋藤大輝さん(22)=余目中出身=が農家に的確な気象情報を伝える「KOSEN版ウェザーステーション」の開発で大きな成果を上げた。皆川さんは故障に強く安価な装置に改良し、長時間にわたる観測を実現。齋藤さんは皆川さんの装置で農家が知りたい気象情報を分かりやすく提示するクラウドサーバーを開発した。2人の成果は国際学術誌「sensors(センサーズ)」に掲載された。

ボックス型の「ウェザーステーション」を持つ皆川さん(左)と齋藤さん

 「KOSEN版ウェザーステーション」は、2014年から鶴岡高専の学生が中心となり実用化に向けて研究開発を重ねている。皆川さんは、気象情報を約2年間にわたってデータ観測することに成功した。これまでの装置は湿気に弱く、基盤がショートして停止することがあったが、ファンを取り付けるなどして改良。その後は一度も故障することなく安定した気象データを集めることができた。

 齋藤さんは皆川さんが改良した装置で温度・湿度・気圧・風向・風速・雨量・日射量の7項目の数値をパソコンとスマートフォンに表示。高・低温による農作物被害を防ぐアラート通知機能(警報装置)を新たに加えた。2人の実績は今月の「sensors」に取り上げられたほか、第9回高校・高専観測機器コンテスト(一般社団法人WNI気象文化創造センター主催)で選考委員特別賞を受賞した。

 ウェザーステーションの実証実験は2年間にわたり三川町(トマト農家)、天童市(パプリカ農家)、東根市(サクランボ農家)、南陽市(アスパラガス農家)の4カ所のほ場で行った。このうち東根のサクランボ農家では、実験中に低温注意のアラートが鳴り、農家がハウス内で暖房をたいて被害を未然に防ぐことができた。

 皆川さんは「農家の役に立つことが一番の目的。ウェザーステーションが故障したときは物理的なものなのか、それともシステムが関係したものなのか究明するのが難しかった。今後はアラート機能を利用して熱中症を防ぐことも可能。農業だけでなく工業や建設業にも応用できると思う」、齋藤さんは「アラート機能で『霜被害が防げた』とサクランボ農家が喜んでくれたことが一番うれしかった。後は後輩に託し、さらにバージョンアップさせてほしい」と話す。

 この春、皆川さんは慶應義塾大大学院に進学し、車の自動運転技術を研究する。齋藤さんは筑波大大学院に進み、コンピュータグラフィックスを学ぶ。2人とも「鶴岡高専で学び、研究したことを次のステップにつなげたい」と笑顔をみせた。

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