受験率69%、初日下回る 大高会場、トラブルなし 共通テスト本試験終了
大学入学共通テストは16日、理科と数学の試験があり、2日間の全日程を終えた。鹿児島県奄美群島唯一の会場となった奄美市名瀬の県立大島高校では、初日より45人少ない229人が受験。前回約95・5%の2日目受験率(1教科以上)は、約69・0%と大幅に低下した。大きなトラブルはない。新型コロナウイルス感染症や16日未明の津波警報発令の影響で受験できなかった場合は、追試験の対象となる可能性がある。
大学入試センターによると、今回の受験志願者は53万367人(うち県内6248人)。群島内各高校は主に大高会場で、与論高校のみ沖縄県名護市の名桜大学会場で受験した。
大高会場の志願者332人に対する受験率は、初日の最高約82・5%(外国語ほか)に対し、2日目は最高約69・0%(数学1)と低下。いずれも例年の90%台を大きく割り込んだ。コロナ感染拡大などが影響したとみられる。
試験終了後、大高会場から帰る受験生たちは「落ち着いて集中できた」「あまり手応えはない」「(国立大の)2次試験で挽回したい」と悲喜こもごも。緊迫の2日間を乗り越え、安堵の表情も浮かべた。
コロナ感染、濃厚接触や風邪症状のために本試験を受けられなかった場合は、追試を受けることができる。追試は29、30日、各都道府県であり、県内は鹿児島大学が会場となる。
大学入試センターによると、16日未明の津波警報発令に関しても、避難指示が出された地域に住んでおり、受験できなかった場合は追試の対象になる。
共通テストの成績は今回、国公私立大や短大など計864大学が合否判定に利用予定だが、文部科学省は各大学に対し、コロナ禍で受験できない志願者にも極力配慮するよう求めている。
本試験の平均点は19日に中間、2月7日に最終発表を行い、受験者本人への成績開示は4月1日以降。 ◇ ◇ 受験生「睡眠足りない」 相次ぐ災難に不安の声 共通テスト2日目朝
「睡眠時間は3時間ちょっと。全然足りない」。大学入学共通テスト2日目を迎えた16日朝、鹿児島県奄美市名瀬の県立大島高校へ向かう受験生は、疲労を隠せないまま正門をくぐった。
年明けから奄美大島で新型コロナウイルス感染拡大が続く中、本番を迎えた15日に東京都内の試験会場近くで刺傷事件が発生。さらに南太平洋のトンガ諸島で起きた火山噴火に伴い、2日目の16日午前0時すぎに奄美群島全域に津波警報が発令されたことも、受験生の不安と負担を大きくした。
津波警報発令当時、共通テスト真っただ中の受験生たちは「『津波が来るよ』と起こされ、2時間ほど近所の高台に避難した」「災害情報を気にしながら自宅で試験勉強を続けた」など、それぞれ対処。大高は一部施設を避難所として開設し、地域住民を受け入れた。
16日朝、大高会場は感染予防を徹底した厳戒態勢。さらに東京での刺傷事件を受け、正門付近では警備員が受験票の提示を求め、奄美署員が警ら巡回した。午前7時半を過ぎると、関係者を送る自家用車やタクシー、ホテルのバスが行き交い、徒歩の受験生も続々到着した。
友人と会場入りした大高の女子生徒は「まさか共通テスト実施期間中にこんな事態(津波警報発令)になるとは」と疲れ気味。大島北高の女子生徒は「正直、寝不足で絶好調ではないし、いろいろ不安はあるけど精一杯頑張りたい」と笑顔も見せ、会場へ向かった。
関連記事
冬の貴婦人・タゲリ飛来 鹿児島県の喜界島に 地元住民撮影
くるりとカールした冠羽や翼の色合いの美しさから「冬の貴婦人」とも形容されるチドリ科の冬鳥タゲリが鹿児島県の喜界島に飛来し、地元住民が1日、撮影した。 「奄美の野鳥図鑑」(NPO法人奄美野...
メヒカリの魚醤を使ったポテトチップス開発中 蒲郡東部小児童らとプロジェク..
蒲郡市内の飲食店経営「笹やグループ」や市観光協会らでつくる「深海魚スナック新商品開発プロジェクトチーム」は、市立蒲郡東部小学校5年児童と一緒に市の特産品で深海魚「メヒカリ」の魚醤(ぎょしょう)を...
「白神ねぎ」6年度販売額、過去最高を更新 目標の年間20億円も視野に
JAあきた白神(本店・能代市)が首都圏市場を中心に売り込む「白神ねぎ」の今年度販売額は、11月末で18億4600万円となり過去最高を更新した。天候不順の影響が少なく、生育が比較的良好だったことに...
生息環境が一部悪化 ミヤコカナヘビの状況報告 宮古諸島希少種保全で意見交換
宮古諸島の希少種保全・外来種問題に係る複数の事業関係者による連絡会議が6日、市役所で行われた。環境省、市、県の行政機関や研究機関、民間団体の職員が参加し、それぞれの活動報告や今後の計画について意...