来年の干支「寅」を題材に飾り扇子を作る須藤さん（八峰町八森の木肌のぬくもり社で）

　八峰町八森字中浜の創作木工芸「木肌のぬくもり社」（須藤奈津子代表）で、新年に向けて天然秋田杉に来年の干支（えと）「寅」の絵柄を彫る飾り扇子づくりが盛んに行われている。
　飾り扇子は、厚さ１㍉の天然秋田杉の板を17枚張り合わせ、繊細な透かし彫りを施して絵柄を浮かび上がらせる。初代代表の山内安久さん（故人）の製法や素材を変えずに、娘の須藤さんが平成26年に引き継いだ。
　虎の全身と「志」の一文字を熟練の技術で彫り、ふさを付けて完成。須藤代表は「力強さを表現したかった」と語る。先月中旬から製作を始め、来年１月までピークが続くという。
　新型コロナウイルスの感染拡大は落ち着きを見せているものの、新たな変異株の出現で今後も不透明な状況。須藤代表は「みんなが志を大きく持ち、力強く前に進めますように」と新年に思いを込め、一つ一つ丁寧に作っている。
　価格は、立て掛け台付きで１個６６００円（税込み）。手鏡や家具、建築材も要望に応じて手掛けている。問い合わせは同社（☎０１８５・77・２２３６）へ。