大島、堂々の準優勝 「感動をありがとう」 九州高校野球
準優勝を飾り、閉会式でダイヤモンドを堂々と行進する大島=12日、鹿児島市の平和リース球場
第149回九州地区高校野球大会は12日、鹿児島市の平和リース球場で決勝があった。大島(鹿児島1位)は九州国際大付属(福岡1位)に6―12で敗れたものの、過去最高となる堂々の準優勝。応援席はこの日も大応援団が埋め、「感動をありがとう」「次は甲子園で活躍を」と選手たちをたたえた。
大島は序盤から相手強力打線に大量リードを許す苦しい展開となった。三回に武田涼雅の適時打で1点を返し、反撃を試みたが、その後は好機を生かせず八回まで無得点。迎えた最終回、代打2人がつなぐと、八回から出場の美島永宝がレフトスタンドへ3点本塁打を放ち、さらに西田心太朗の安打などで2点を返す粘りを見せた。
今大会、大島は1回戦で大分舞鶴(大分2位)を再試合の末に下し8強入り。準々決勝は甲子園で優勝経験のある興南(沖縄1位)に完封勝ちし、さらに準決勝の有田工業(佐賀2位)戦は逆転で勝利を収め、初の決勝に臨んだ。
チームを引っ張った主将の武田は「楽しくプレーするのが自分たちのモットー。最後は試合を楽しめた。今大会は雨やナイターでの試合ができ、いい経験にもなった。気持ちの面で一人一人が成長したと感じる」と話し、「ここからは自分たちを追い込んでいくしかない。しっかり体をつくって春に臨みたい」と表情を引き締めた。
大島は、来春の選抜高校野球(通称・センバツ、阪神甲子園球場で2022年3月開催)の出場校選考の重要資料となるこの大会で結果を残し、センバツの九州代表枠「4」入りが確実視されている。来年1月の選考会で、14年の「21世紀枠」に続く、2回目のセンバツ出場が決まる。
【3点本塁打で盛り立て 途中出場の美島「フルスイング決めていた」】
最終回で本塁打を放ち、笑顔で迎えられる美島(右)=12日、鹿児島市の平和リース球場
最終回、粘りの大島が打撃で魅せた。八回守備から出場した内野手の美島永宝(2年)が3点本塁打を放ち、チームを盛り立てた。美島は「入るとは思わなかったので驚いた。島の人たちがこんなにも応援してくれている。簡単に負けるわけにはいかないと思った」と振り返った。 「点差がありヒットでつなぐよりも長打が欲しい場面。フルスイングしようと決めていた」という美島。初球の真っすぐを狙っていたが、2球ボールが続いてカウントが有利に。4球目で得意のインコースに来た甘めのカーブを芯で捉えた。父と毎日通ったバッティングセンターでの練習が実を結んだ。
「次は実力で行く初めての甲子園。応援に応えるプレーで島の人たちへ勝利を届けたい」と語った美島は、「基本を大切に、毎日の練習をしっかりと、時間を無駄にせずこなしていきたい」と視線を前へ向けた。
【「次こそは自分も」 ベンチメンバーも共に戦う】
チームのピンチで守備につく選手たちを励ます大島のベンチメンバー=12日、鹿児島市の平和リース球場
大島が初の決勝まで進んだ今大会。スタメンを外れたメンバーもベンチで声をからして一緒に戦った。「次こそは自分も」。試合に出られなかった選手たちはチームの躍進を喜びつつ、レギュラー獲得に向けて前を向いた。 決勝は相手の強力打線に序盤から大量リードを許す展開。守備に付く大島ナインにベンチは「アウト一つずつ」「落ち着いていこう」と励ました。 九回の最後の攻撃は途中出場の選手たちが後続につないで一挙5得点。諦めない気持ちを前面に出して意地を見せた。 川﨑大雅(2年)は今大会で試合に出場することはかなわなかったが、ベンチワークでチームを支えた。川﨑は「打席に入る仲間にバットを渡すときはひと声掛けるよう心掛けた。みんなが打ってくれると信じて一緒に戦った」と振り返り、「試合に出ることができなかったのは正直悔しい。でも、甲子園の舞台ではベンチに入って試合にも出られるよう練習を頑張りたい」と力を込めた。
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