3700万円を私的流用 苫小牧歯科医師会前副会長、少なくとも7年間
苫小牧歯科医師会(阿部雅人会長、会員109人)の副会長を務め、今年1月に死亡した男性歯科医師(当時59歳)が、少なくとも7年間にわたって3700万円余りを私的流用していたことが分かった。昨年12月、会計に使途不明金が見つかり、内部調査を進めていた。同会は全額の弁済を前副会長の親族に求めており、返済が得られなければ訴訟に発展する可能性もある。
同会の調査によると、流用されていたのは会員から徴収する会費や会の積立金など約3724万円。前副会長は1998年度から理事を務め、2002~05年度と08~12年度の2度にわたり会計を担当した。13年度から法人・機構改正担当に変わったが、担当を外れた後も実質的に1人で会計業務を続けていたという。17年度から副会長を兼任した。
19年度に就任した阿部会長が財務状況を把握するため、前副会長に資料の提出を求めたところ、収支の一部が合わなかったり、領収証が不足したりしていることが判明。聴き取り調査を進める中、前副会長は今年1月28日、苫小牧市内の自院で起きた火災で死亡した。
同会は税理士事務所に調査を依頼し、13年度以降の会計帳簿などを調べた結果、19年度までの7期合計で約3724万円の使途不明金が見つかった。それ以前の決算資料などは廃棄されており、実際の被害額はさらに多かった可能性もある。
年度ごとに見ると、13年度が469万円、14年度312万円、15年度280万円。16年度の409万円以降は年々金額が膨らみ、直近の19年度は1040万円に上った。関係者は「18年9月の胆振東部地震で全国の関係団体から多額の見舞金を頂いたが、その使い道も不明な部分が多い」としている。不明金の使途について、前副会長は聴き取り調査にも口をつぐんでおり、流用の動機や詳細は分からなかったという。
同会は弁護士や苫小牧署にも相談したが、前副会長が死亡していることから刑事告訴はせず、親族に弁済するよう求めている。同会はずさんな会計処理に長年気付かなかった体制にも問題があったことを認めており、阿部会長は「今年度から財務管理を外部の税理士に委託した。年1回の内部監査も3回に増やすなどチェック機能を強化し、再発防止に取り組む」としている。
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