氷点下３１．８度を記録した２月９日朝の陸別・道の駅前。年最低気温として史上初の全国１位に

　「日本一寒い町」として知られる陸別町に新たな勲章が加わった。寒気が流れ込んだ２月９日朝、陸別の氷点下３１．８度が、今季の最低気温として全国１位を記録した。陸別は意外にも、ぐんと冷え込む寒さはさほど多くなく、年最低気温が１位になるのは４２シーズンにわたる気象庁アメダス観測史上初めて。町民有志の「しばれ技術開発研究所」（＝しばれ研、佐藤秀昭所長）が集計した。

　しばれ研は２００７年から厳冬期（１、２月）の「寒さランキング」を公表している。午前９時ごろまでに全国で一番気温が低かったアメダス観測地点に１０点、２番目に９点、以下１点ずつ減点し、その日の寒さを点数で表す。

　今年も陸別は３５５ポイントで１１連覇、２位の釧路管内弟子屈町川湯（１７５ポイント）に大差をつけた。気象庁によると、厳寒期の十勝は冬型の気圧配置で、晴れて放射冷却が強い日も多かった。

　そして最強寒気の氷点下３１．８度。しばれ研の空井猛寿さん＝町職員＝が１９７８年以降のアメダスデータを調べたところ、陸別が年最低気温で１位の年はなく、トップ１０に入ったのは計２１回のみ。

　陸別の最低気温として記録される氷点下３３．２度を出した２０００年も２位（１位は上川管内占冠の同３４．９度）だった。

　今季の陸別は年最低気温に加え▽寒さランキングの全国１位の回数▽寒さランキングポイント▽１、２月の日平均気温－といった独自の６指標で全て１位に。この“完全制覇”も初めてという。

　同じくしばれ研の浜田始さん＝浜田旅館社長＝は「やはり寒気」と総括。２月９日は「氷点下３０度」が予報され「陸別としてのプレッシャーもあった」。

　前の晩から気になり「午後１０時ごろベスト１０入り、翌９日午前３時４０分ごろに氷点下３０度を超え１位に。川湯や歌登も底を打ち、確信した。最低気温の初の記録も、素直にうれしい」と話す。