釧路ガス（釧路市寿４、両角幹彦社長）と東京ガスエンジニアリングソリューションズ（東京都、小西康弘社長、略称ＴＧＥＳ）は、２０２７年に新棟が完成する予定の市立釧路総合病院に、省エネかつ災害に強いエネルギーシステムを導入するとともに、施設全体の維持管理や効率的な事業運営を図るファシリティマネジメント（ＦＭ）業務を実施する。地域災害拠点病院として災害発生時も高度な医療提供を求められる同病院の安定的、持続可能な運営に貢献することを目指す。

　導入するエネルギーシステムの中核は、都市ガスから電気と熱をつくるコージェネレーションシステム（ＣＧＳ）。発電時に発生する熱は吸収式冷温水器に供給し、施設の空調などに有効利用する。このほか、ガスや重油を使用する複数の熱源機器を設置。気象情報や病院の稼働状況などのデータから高精度なエネルギー需要予測を行い、遠隔自動制御で設備を効率良く運転することで、省エネ、二酸化炭素（ＣＯ2）削減を図る。また、同病院に都市ガスを供給する導管は災害に強い中圧導管が整備されており、ガスを燃料に発電するＣＧＳにより、災害に伴う停電時も医療活動を継続することが可能となる。

　ＦＭは、ＴＧＥＳが業務体制の構築を支援。釧路ガスが常駐管理責任者を派遣し、照明やスプリンクラーなど建物の付帯設備の日常点検、整備が必要な場合の外部委託管理、長期的視点での修繕計画作成などを実施する。これにより病院は医療業務に注力することができ、生産性の最大化や将来的な人員不足に対応することが期待される。

　エネルギーサービス事業の契約期間は１５年。初期投資不要で修繕費を含めた月々の利用料を支払う。事業費は非公開。

　ＴＧＥＳでは「地域に根差した釧路ガスとともに地域に貢献したい」としている。

2027年に新棟が完成予定の市立釧路総合病院