23日の降雪により銀世界に戻った高遠城址公園内

　「天下第一の桜」として知られる高遠城址公園（長野県伊那市高遠町）の安全祈願祭と公園開き式が23日、園内で行われた。この日は降雪によって一面銀世界となり、会場を高遠閣に移して実施。関係者ら約30人が参加し、観光シーズンの安全無事や地域のにぎわい創出を願った。伊那市によると、今年の開花は４月初め前後の見込み。

　同園はタカトオコヒガンザクラが約１５００本植わる桜の名所。今年の「さくら祭り」は新型コロナウイルスの感染法上の位置付けが５類に移行したことを受けて、制限を設けずに行う予定だ。

　神事や式に続いて、高遠と高遠第２・第３両保育園の園児が歌を披露して会場を盛り上げた。さくら祭りの一環で企画された、願い事や能登半島復興へのメッセージを来園者が短冊に書いて結いひもに結ぶ「花結い～サクラサクミライ～」の紹介もあり、園児たちも思いを寄せた。

　市観光協会長の白鳥孝市長は「たくさんの皆さんに協力していただき、安心安全な祭りが進むことを期待している。これから高遠はにぎわいを見せる時期なので、全国や世界からのお客さまにおもてなしをしながら、この地域を知ってもらえれば」としていた。

　さくら祭りは園内の桜の咲き始めから散り終わりまで開く。有料入園は開花宣言の翌日から始まり、金額は大人６００円、小中学生３００円。桜の維持管理費や祭りの運営費などのため値上げした。

　夜桜見物ではライトアップやプロジェクションマッピングを実施する。高遠石工の石仏を再現したフィギュア「石仏ガチャ」、伝統の「高遠ばやし」、桜茶のサービスなどの企画も計画している。

　４月１日からは公園周辺の交通規制を行う予定。最盛期には渋滞対策のためシャトルバスを運行する計画だ。