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長野日報社

伝統的農法・馬耕の「ビンゴ」天へ旅立つ 長野県伊那市

力強く馬耕を披露する「ビンゴ」=2023年10月26日、伊那市高遠町

馬を使って田畑を耕す昔ながらの「馬耕」に取り組む長野県伊那市高遠町の横山晴樹さん・紀子さんの愛馬「ビンゴ」が16日、息を引き取った。21歳だった。ビンゴが横山さん夫妻の下に来たのは10歳のとき。それから約11年。伝統的な農法を実践する夫妻のかけがえのないパートナーとして活躍してきた。貴重な文化である馬耕を次代に引き継ぐため、学校や保育園での馬耕体験にも参加。優しく、おとなしい性格で、小さな子どもたちからもかわいがられた。

牡馬のビンゴは北海道で生まれ、乗馬用として山梨で飼われた後、岩手へ。このとき農耕馬を探していた晴樹さんと出合った。晴樹さんは当時のことをよく覚えており、手綱を握った瞬間に「この子だったらできる」と確信したという。夫妻はこれより少し前に高遠町に移住していて、馬との暮らしが始まった。

高遠では昭和50年代まで馬耕が行われていたという。夫妻は地域の先達に教わりながら馬の操り方や馬に取り付けるすきの技術を習得。若い頃はやんちゃなところがあったビンゴも「次第に信頼感が生まれた」といい、体験会では子どもたちにも安心して手綱を託せるようになった。

馬の平均寿命は20~25歳といわれる中、ビンゴも20歳を超え、体力の低下を感じるようになった。夫妻は馬との暮らしを続けるため、クラウドファンディング(CF)で資金を募り、後継ぎの馬を迎え入れた。ビンゴと同じ北海道生まれの牡馬「伊織」2歳。1月にやってきて、春のデビューに向けてトレーニングに励んでいるという。そんな状況を見届けるように、ビンゴは静かに天へ旅立った。

17日には、悲しい知らせを聞いた人たちが次々訪れ、ビンゴとの別れを惜しんだ。そして、群馬県の施設に運ぶため、みんなでトラックに運び入れた。18日朝、家族で最後の別れを済ませると晴樹さんの運転で出発した。トラックを見送った紀子さんは「感謝しかない。本当にかわいかった」と目頭を押さえた。

「馬の寿命は20歳ぐらいだから天寿を全うしたと思う」と晴樹さん。「馬耕はハードルが高かったが、ビンゴが自信を与えてくれた。悲しいけれど、ビンゴと共にやりきったという気持ちもある」とビンゴとの日々をしのんだ。

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