アグリーフプラスが急速冷凍施設を整備 旬の野菜を食卓へ【山陽小野田】
南高泊干拓を中心に営農するアグリーフプラス(伊藤徹一郎社長、山陽小野田市西高泊)は、生産物の価値を高める6次産業化を目指し、野菜などの農作物を急速冷凍する加工施設ゼロプレイスを整備した。旬の野菜のおいしさと栄養価をそのままに食卓に届ける。
同社は1975年から南高泊干拓に広がる16㌶の農地で米、麦、大豆、ネギ、アスパラガスなどを栽培。学校給食にも多くの野菜を提供してきた。
収穫後に卸売り、小売りと流れていく流通システムの関係上、どうしても完熟した野菜を消費者が手にするのが難しく、規格外の野菜は廃棄されるという無駄も生じていた。そこで水分含有量が多いために冷凍は難しいとされていた野菜を急速冷凍できる高性能の冷凍機を新たに導入。収穫したばかりの野菜をカット状、ペースト状に冷凍し、年間を通して提供できるようにした。
消費者にとっては安心・安全で、おいしさと栄養価が高い冷凍野菜を楽しむことができ、調理の時間短縮や生ごみが出ないなどのメリットがある。同社にとっても賞味期限が1年間なので年間を通じて安定的に供給でき、農産物の廃棄を軽減できる。卸売業者を通さず直送できるので利益率も高い。
ゼロプレイスの「ゼロ」には中継企業がゼロの農家直送、農薬や化学肥料を使わないゼロ、人と地域の輪(ゼロ)の意味合いを込めた。
昨年末、関係者約80人が出席して同社で開かれた完工式では、伊藤社長が「6次産業化という新しい方向に全力で取り組みたい」と決意を語った。来賓の江島潔参院議員、古川博三副市長らが「農業生産の新しい取り組みを応援したい」とエールを送った。
内覧会では真新しい加工施設で野菜を急速冷凍したり、ペースト状の野菜を容器に詰め込む作業を見守った。
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