木に登ったまま居座り続けたクマ（9日午後6時15分）

　9日午前11時35分ごろ、能代市二ツ井町五千苅の能代高定時制課程二ツ井キャンパス校舎近くで、クマが木に登ったまま居座り、能代署員や能代市職員、猟友会の会員らが木を取り囲んで警戒に当たった。クマは6時間以上も居座った末、午後6時20分ごろ、木から下り、北西側のJR奥羽本線方面へ走り去った。同署は周辺でパトロールを行って注意を呼び掛けている。

　能代署によると、同日午前11時35分ごろ、高校グラウンド内にクマがいると通報があり、能代高二ツ井キャンパスグラウンド脇にある桜の木に登っているクマ1頭を確認した。同署や市職員などが、クマが登っている木の周りをネットで囲んで警戒に当たった。クマは6時間以上も樹上に居座り続けたが、午後6時20分ごろに下り、その後、JR奥羽本線方面へと走り去った。クマは体長が約50㌢で、子グマとみられる。
　周辺では前日もクマの目撃情報があったほか、1日午後にJR二ツ井駅近くで子グマとみられるクマ1頭が目撃されている。
　能代高二ツ井キャンパスでは、同日午前11時40分ごろ、能代署からの情報提供を受け、クマがグラウンド脇の桜の木に居座っていることを把握。荒川正明校長が校内放送で全校生徒に状況を逐次伝えるとともに、屋外に出ないように求めた。
　クマが動く気配がなかったため、午後2時40分の5校時の授業終了後に生徒を下校させた。列車通学の生徒は集団でJR二ツ井駅に行くように指導し、徒歩の生徒は保護者に車で迎えに来るよう要請。同4時までに全校生徒の下校が完了、教職員も同5時までに退勤した。
　荒川校長は「8日も子グマがグラウンドの線路（JR奥羽本線）側に出没し、猟友会が爆竹で追い払ったと聞いていた。混乱してもおかしくない状況だったが、生徒たちは極めて冷静だった。引き続き危機感を持って安全対策に努めたい」と語った。
　10日は通常通り授業を行い、集団での登校など安全対策を取る。