観光振興からロケ誘致へ全力疾走 鈴木恵子さんをしのぶ
映画やドラマなど数多くのロケを東三河に誘致し、17日に71歳で亡くなった「とよはしフィルムコミッション」(FC)専務理事の鈴木恵子さんの告別式などが19日、豊橋市の「イズモ葬祭 イズモホール豊橋 貴賓館」で執り行われた。ロケを通じたまちづくりを長年支え、親交のあった多くの映像関係者らも別れを惜しんだ。
旅行最大手のJTBでの経験を生かし、1997年の豊橋観光コンベンション協会設立時から観光振興に携わった。ご当地グルメ「とよはしカレーうどん」の考案、健康食材で注目される「濱納豆」に脚光を浴びせるなど数多くのプロモーションを仕掛けた。
2009年から「ほの国ロケ応援隊」で映画やドラマ、CMなどの映像制作を支援した。昨年から「とよはしフィルムコミッション」として飛躍を目指していた。
14年間でのロケ誘致は300件に上る。TBSで人気ドラマを手掛ける福澤克雄監督も、今夏の話題作「VIVANT(ヴィヴァン)」まで5作品を豊橋で撮った。17年の「陸王」は警察の協力も取り付け、マラソンシーンのロケで国道1号を一時封鎖する「離れ業」もやってのけた。
四半世紀にわたり観光振興からロケ誘致へ全力疾走した。フィルムコミッションが掲げる「不可能を可能にする」「NO!!と言わない」「かゆい所に手が届く」を体現した14年間だった。
この日は生前親しかった多くの映像関係者らも別れを惜しんだ。
映画「異動辞令は音楽隊!」(22年)の内田英治監督は「家族マニュアル」(19年)の全編豊橋ロケで縁が深まった。
内田監督は「無名時代は食事までお世話になり、超低予算の制作も乗り切れた。電話すればすぐいいロケ地を探してくれる。毎年送ってくれたミカンが懐かしい。仕事を超えた人間同士の付き合い」と感謝した。
「とよはしまちなかスロータウン映画祭」実行委員会の佐々木順一郎会長は「同年齢の仲間。FCがうたう『NO!!と言わない』は雑談で生まれた」と懐かしんだ。
市内で豊橋発の映画作りに励む谷口由里子さんも「東京から市内へ移住して最初に頼ったのが恵子さん。闘病生活でも苦しい顔を見せず、悩んだ時は『苦しいのは今じゃないのよ』と逆に背中を押してくれる強い人」と冥福を祈った。
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