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アマミノクロウサギ常設展示 28年ぶり鹿児島市の平川動物公園

平川動物公園で公開されているアマミノクロウサギのテツコ=15日、鹿児島市

 「私は奄美大島生まれのテツコ。鹿児島で元気に過ごしています」―。鹿児島市の平川動物公園は14日から、鹿児島県の奄美大島と徳之島だけに生息する国の特別天然記念物アマミノクロウサギ1匹を来場客に公開している。アマミノクロウサギの常設展示は1995年以来28年ぶり。希少な生き物を保護する大切さなどについて理解を深めてもらおうと企画した。同園は「世界自然遺産に登録された奄美の自然の素晴らしさや、動物たちが交通事故に遭っている現状などを知ってもらうきっかけになれば。優しく見守ってほしい」としている。

 同園によると、公開しているのは推定11歳以上の雌。2012年に奄美大島瀬戸内町の路上で交通事故に遭い、顎の骨を骨折。奄美大島内の動物病院で保護された後、19年3月に平川動物公園に移された。事故の後遺症でかみ合わせが悪く、定期的な治療が必要なため野生復帰は難しいことから、環境省の協力も得て常設展示することになった。

 昼夜逆転の環境を整えた園内の施設「は虫類・夜行性動物館」で公開し、テツコが展示室の中で動き回ったり、野草や野菜を食べたりする姿をガラス越しに見ることができる。

 飼育展示係の大沼美聡さん(32)は「テツコは大胆な性格で人も怖がらない。食欲も旺盛でずんぐりむっくりの体型もかわいらしい」と話し、「アマミノクロウサギは交通事故などに遭って動物園に来ることになった。今回の展示が野生動物と人との共存の在り方や、自分たちにできることを考えるきっかけにつながればいい」と語った。

 同園では1977年以降、アマミノクロウサギの生態、繁殖、人工飼料などについて研究し、80年には10匹を導入してその後繁殖にも成功。飼育展示は95年に途絶えたが、その後も交通事故やノネコに襲われてけがをした個体を保護し、野生復帰を目指して飼育を続けてきた。現在、テツコを含め3匹を飼育中。

 奄美大島と徳之島ではアマミノクロウサギによる農作物被害も報告されていることから、同園では大学と連携してクロウサギの身体能力や農地への侵入防止に有効な金網柵などの研究も行っている。

 飼育展示課の桜井普子課長は「アマミノクロウサギは地元の方々が大切に守ってきた動物。園の取り組みを発信しながら、環境保全の重要性を訴えていきたい」と話した。

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