新属アンモナイト2種 穂別博物館発表 命名「モシリテス」
むかわ町穂別博物館は24日、町内穂別地区や大夕張(夕張市鹿島地区)などで発掘されたアンモナイト化石2種類が新属新種だったと発表した。大型で、巻きが緩くらせん状になっている「異常巻き」が特徴という。同博物館の西村智弘学芸員らが穂別町民センターで記者会見し、アイヌ語で静かな大地や北海道(アイヌモシリ)を意味する「モシリ」にちなみ「モシリテス」と命名したことを明らかにした。
新属新種のアンモナイト2種類を前に会見に臨む(右から)西村学芸員、伊豆倉さん、松田さん
西村学芸員らによると、いずれも1990年代後半に「蝦夷層群」と呼ばれる白亜紀の地層で発見され、標本は直径約30センチに及ぶ。「異常巻き」の特徴などから新属に分類され、うち1種は4列のいぼを持つ。西村学芸員は「北太平洋地域に固有の種類で、白亜紀の海洋の古環境を考える上で重要な証拠の一つになる」としている。
2年ほど前から国立科学博物館の研究員らで構成するグループで調査を進め、6月23日に出版された論文で発表した。2種は、ラテン語で「素晴らしい」を意味する「モシリテス・ミラビリス」と、「ヘビの形」を意味する「モシリテス・サーペンティフォーミス」と学名を付けた。
会見には、穂別博物館に「モシリテス・ミラビリス」の化石を寄贈していた同館ボランティアの伊豆倉正隆さん(69)=札幌市在住=と、三笠市立博物館に「モシリテス・サーペンティフォーミス」を寄贈した松田昇市さん(77)=岩見沢市在住=が同席。伊豆倉さんは「正式名が付かない状態が続いていた。論文で発表されたことを非常にうれしく思う」と喜びを語った。
モシリテス・ミラビリスは25日から12月3日まで、穂別博物館で展示される。西村学芸員は「見た目に迫力がある。穂別博物館に限ると新種の中でも断トツに大きく、シンボルにもなり得る」と話す。モシリテス・サーペンティフォーミスは三笠市立博物館に常設している。
関連記事
Jファーム 直売所を再開 規格外のミニトマト格安販売 苫小牧
苫小牧市柏原で植物工場を操業するJファーム苫小牧(石島武社長)が今年、ミニトマトの直売をビニールハウス内の一角で行っている。昨年は会社の運営体制見直しに伴って直売所を全休したが、常連客らの強い要望...
高校生最先端の研究環境で挑戦 慶應先端研 最多33人助手・研究生受け入れ
鶴岡市の慶應義塾大先端生命科学研究所(荒川和晴所長)の高校生「研究助手」「特別研究生」の任用式・入学式が10日、同市覚岸寺の鶴岡メタボロームキャンパスで行われた。本年度は過去最多となる33人の庄内地...
芽室の「倉庫」バー再開 元地域おこし協力隊の芳野さんマスターに
芽室町内の赤れんが倉庫を改装したバー「守破離」(町東2ノ1)が5月から通常営業を再開している。マスターを務める元地域おこし協力隊の芳野都馬さん(26)は「れんが造りの雰囲気がとても良いバー。バ...