日本海中部地震の被害生々しく 能代市の大型店で防災パネル展
日本海中部地震の被害の様子などを伝える防災パネル展(能代市鰄渕のイオンタウン能代で)
昭和58年5月26日に発生した日本海中部地震による津波や地盤災害、建物被害の状況を収めた写真などを展示した「防災パネル展」が23日、能代市鰄渕のイオンタウン能代で始まった。同地震から40年の節目に当たり、国土交通省能代河川国道事務所、秋田地方気象台、能代市が共同で開いた。6月11日まで。
能代沖約100㌔を震源とした日本海中部地震では、津波などで104人が亡くなり、うち能代山本では57人が犠牲になった。地割れ、陥没、液状化現象などの地盤災害が起きた場所では住宅などが壊れ、能代山本だけで4千棟以上が被災。道路、水道、ガスなどのライフラインも打撃を受け、市民生活は大混乱に陥った。
パネル展は、40年前の甚大な被害の記憶を風化させず、防災意識の高揚を改めて図ろうと企画。能代河川国道事務所、市それぞれが所有する地震直後の地域を捉えた写真をはじめ、被害状況のまとめ、当時の新聞記事のほか、地震・津波が発生した際の情報の流れや身を守るための備え、洪水被害を軽減するための流域治水の取り組みを紹介するパネルなど約90点を展示している。
米代川を上る津波、陸に打ち上げられた転覆船、無残に壊れた家屋やブロック塀、亀裂や陥没でズタズタになった道路など、生々しい写真の数々が地震や津波、自然災害の恐ろしさをダイレクトに伝える。能代市河戸川の菊地亨輔さん(40)は「当時0歳で地震のことは全然分からない。写真も見たことがなかった。こんなにひどい状況だったんですね」と語り、夫婦で展示に見入っていた。
主催団体事務局で能代河川国道事務所の細川朋・流域治水課長は「展示している写真は過去の物だが、今後起こり得ることだとも言える。地震に対する心構え、防災への意識を改めて持ってもらう機会になれば」と話していた。
パネル展の会場は、モール内「ヤマダ電機」前の通路。
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