「雪中芝居」3年ぶり上演 黒森歌舞伎 正月公演
酒田市黒森地区に伝わる農民芸能「黒森歌舞伎」(県指定無形民俗文化財)の正月公演が15日、同地区の日枝神社常設演舞場で上演された。正月公演としては3年ぶりの開催。県内外から大勢の歌舞伎ファンが訪れ、地元役者の名演に声援を送った。

「昔談柄三荘太夫」の一場面
黒森歌舞伎は江戸時代中期の享保年間(1716―35)から地区住民による妻堂連中(五十嵐良弥座長)が黒森地区の鎮守・黒森日枝神社の神事の一環として連綿と受け継いできた。正月公演は寒さの厳しい2月中旬に上演されることから「雪中芝居」と呼ばれる。新型コロナウイルスの感染防止から20年の正月公演を最後に中止が続き、延期となった昨年は10月に「特別公演」と題して開催された。
2003年以来の上演となる本狂言「昔談柄三荘太夫(むかしがたりさんしょうだゆう)」は、黒森歌舞伎以外では演じられていない珍しい演目。冷酷な悪徳領主の三荘太夫、幼い姉弟の安寿姫と對王丸などが登場し、巡る因果の恐ろしさを描いたもの。全三幕。この日は▽丹後の国南山の場▽三荘太夫屋敷の場の二幕を上演。本狂言の前には黒森小3―6年生児童10人による少年歌舞伎「青砥稿花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)」の「稲瀬川勢揃いの場(通称・白浪五人男)」が披露された。

子どもたちの熱演に声援が送られた
この日は時折雪が舞う文字通りの「雪中芝居」。見物客たちは地元役者の力強い姿や大立ち回りに大きな拍手を送っていた。17日正午からも同様の出し物が上演される。
関連記事
博物館見学 恐竜と化石のまち むかわ町穂別地区で周遊ツアー
むかわ町は20日、町穂別地区でバスツアー「恐竜と化石のまち むかわ町知り尽くし周遊ツアー」を実施した。札幌市や神奈川県から40人が参加。穂別博物館の見学、化石クリーニングの体験、町産食材を生かし...
七日町観音堂へ「新柳橋」完成 鶴岡市本町二丁目と三丁目つなぐ 渡り初めで祝う
架け替えが進められていた鶴岡市本町二丁目と三丁目をつなぐ柳橋(市道七日町柳橋線)の工事が完了し21日、現地で安全祈願祭が行われた。地元住民や市、工事業者などが参列し、橋の完成を祝って渡り初めを行っ...
駐日スペイン公使参事官が篠﨑市長を表敬訪問「今後もより良い関係を」【宇部】
【22日、カステジョ市と友好協会設立】 駐日スペイン大使館のミゲル・ゴメス・デ・アランダ次席兼公使参事官が21日、宇部市役所に篠﨑圭二市長を表敬訪問した。市は2019年4月に姉妹都市提携し...
春の快音おあずけ 十勝のゴルフ場、積雪で開業遅れ
今月中旬のまとまった降雪の影響で、十勝管内のゴルフ場は今シーズンのオープン延期を余儀なくされている。コース上の積雪が解けきらなかったためで、シーズン入りを心待ちにしていたゴルファーは理解を示しつ...