世界最高レベルで光変換 県と企業がフィルム開発
県工業技術センターと企業が共同開発した近赤外光を可視光に効率的に変換できるフィルム(15日、県庁で)
県工業技術センター(和歌山市)は、人にはほとんど見えない「近赤外光」を、目に見える「可視光」に、世界最高レベルの効率で変換するフィルムを、日東電工(大阪市)と共同開発した。太陽電池の発電効率の向上が目指せるといい、実用化に向けて研究を継続していく。
センターは2016年度に光のエネルギーを変換できる技術の研究を開始。この技術は、それまで液体や結晶の素材を利用する必要があり、実用化が困難だったが、空気中でも可能にできるフィルムを開発し、19年に発表した。
これをきっかけに、複数の企業から問い合わせがあった。このうち光学フィルム製造などを手がける日東電工と共同で、フィルムの作製方法を研究してきた。その結果、近赤外光を、世界最高レベルの3・7%の効率で可視光に変換するフィルムの開発に成功した。同様の機能があるフィルムは世界で開発されているが、変換効率は2%程度にとどまっているという。
今後も改良を進める必要があるが、将来的には例えば、このフィルムを太陽電池の底面に貼り付けることで、発電効率の向上が見込めるという。太陽電池のうち「ペロブスカイト」という素材を使ったタイプでは、ほぼ可視光しか発電しないが、このフィルムを使えば、近赤外光も可視光に変換できるため利用できる。
センターと日東電工は15日、東京都で開かれた高分子学会のポリマー材料フォーラムで研究成果を発表した。
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