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北羽新報社

歴史ロマンに浸る 能代市の桧山安東氏城館跡で発掘調査現場見学会

第7次発掘調査の成果が公開された見学会(能代市の桧山城跡で)

 能代市教育委員会が発掘調査を行っている同市桧山の国史跡・桧山城(桧山安東氏城館跡)で28日、今年度(第7次)の調査成果を公開する見学会が開かれた。担当者は、昨年度までに確認された掘立柱建物跡について、「それほど規模が大きくない可能性が高まった。お殿様がいた『御殿』とは言いづらい」と説明。また陶磁器や硯(すずり)、銭貨など新たに約200点の遺物も見つかったとし、一部を紹介した。

 桧山城跡は中世に県北部一帯で勢力を誇り、後に戦国大名に発展し北海道南地方も支配したとされる桧山安東氏の居城跡で、安東忠李が明応4(1495)年に完成させた。馬蹄(ばてい)形の尾根全体を天然の要害とした山城で、100年以上使われていたとされる。近世の郭に見られるような天守閣や石垣はないが、曲輪(くるわ)や堀切などの遺構が随所に残る。
 発掘調査は桧山城跡の環境整備を進める上で不明点の多い城跡の建造時期や構造、性質などを解明するため平成28年度に開始。同年度策定の史跡檜山安東氏城館跡環境整備計画(~令和8年度)に沿って進めており、7年目の今年度は、城の最も重要な場所だったと考えられている通称「本丸」曲輪内の約127平方㍍を調査区に設定した。
 本丸の調査は今年度で4年目。令和2年度の調査で曲輪の中央西寄りで遺構が密に検出され、3年度はそこを中心に詳細に調査した結果、掘立柱建物跡であることを示す等間隔に並ぶ柱穴の配置が2軒分確認された。今年度の調査はその建物の全容を明確にすることを主な目的に、6月から9月下旬までの期間で進めている。
 見学会には市民ら約20人が参加。調査を担当する市教委の播摩芳紀主席主査がトレンチ調査が行われている現場を案内し、これまでの調査成果を説明した。
 注目の建物跡については、昨年度の調査区から東側、南側それぞれに柱の並びが続いているか調べてきたが、東側では柱穴は見つかったもののサイズが小さく、柱の並びかは不明確で、南側では新たな柱穴が見つかっていないという。この結果から播摩主席主査は「まだ調査途中で今後に期待をしているところはあるが、もし柱が続くとしても規模的に小さく、お殿様がいた御殿とは言いづらい規模」と解説した。
 一方、建物跡以外では、これまで曲輪中央で見つかっていた「炭」の範囲がさらに東側に広がっているのを確認し、そこから16世紀前半から17世紀初頭までに作られたとみられる遺物が多数出土。
 播摩主席主査は「炭は建物跡より後の時代に堆積したものと考えられる。一つの層からのまとまった遺物群としては時期幅が大きく、17世紀初頭以降に一緒に投げ込まれるなどした可能性がある」、「遺物は日常の器や儀礼に使われた『かわらけ』など。曲輪内全体でのさまざまな活動の様子が想像できる」と語った。
 現地での説明の後は、かわらけ、中国産白磁、唐津碗(わん)、硯、銭貨といった今年度出土品の一部が紹介されたほか、歴史ガイドによる城跡巡りも企画。参加者は中世桧山の隆盛に思いをはせつつ、ふるさとの歴史への理解を深めていた。

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