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待ちわびた吉報に歓喜、安堵 自然遺産「勧告はスタート地点」の声も 奄美大島、徳之島

奄美大島と徳之島の世界自然遺産登録実現を目指して鹿児島県が2020年12月21日に設置した看板=鹿児島市の県庁入口

 今夏の世界自然遺産登録を目指す「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」(鹿児島県、沖縄県)について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関・国際自然保護連合(IUCN)の登録勧告が伝えられた10日、候補地の自治体関係者や専門家、自然保護関係者からは安堵(あんど)や喜びの声が上がった。2018年の「延期」勧告から3年越しの吉報に「世界の宝として評価された」と歓迎する一方で、「勧告はスタート地点」「子どもへの教育が要」と次を見据えた声も聞かれた。

 奄美12市町村でつくる奄美群島広域事務組合の朝山毅管理者(奄美市長)は「豊かな自然環境が世界の宝として評価されたものであり、大変うれしく思う。7月の世界遺産委員会で勧告通りに登録されるよう、関係機関、関係団体と全力で取り組む」と決意を新たにした。

 大島郡町村会の高岡秀規会長(徳之島町長)は「長い道のりを振り返ると大変感慨深い。群島民の悲願でもある自然遺産登録に向けた大きな一歩。新型コロナウイルスの一日も早い収束を願いつつ、群島民一丸となって対応を進める」と述べた。

 奄美大島エコツアーガイド連絡協議会の喜島浩介会長(70)は「コロナ禍の明るいニュースで喜びは大きい」と歓迎し、「世界的な価値を踏まえた上で、島の人たちはこれから暮らしていく必要がある。われわれガイドも質を高める努力が求められる。多くの人が訪れ、忙しくなるだろうが楽しい日々が待っていると期待したい」と話した。

 約40年にわたって自然保護活動を続ける奄美市名瀬の写真家、常田守さん(67)は「奄美には大陸で失われた多くの種が残っており、世界規模で保護すべき価値があるという証し。正直、ほっとした思い」と胸のうちを吐露。「登録後は次世代を担う子どもたちへの教育が要だ。正しい自然の知識を持てば、いずれ『自然保護』という義務に縛られることなく『宝』の維持が可能になる」と、展望も口にした。

 「登録勧告はスタート地点に立ったにすぎず、喜んでいる場合ではない」と語るのはNPO法人徳之島虹の会の美延睦美事務局長(58)。「遺産登録に向けて猫対策や住民への普及啓発など課題は多く、住民一人一人が自分のことと意識して取り組むことが重要だ」と気を引き締めた。

 奄美の動植物の専門家として2回のIUCN現地調査で案内役を務めた農学博士の服部正策さん(67)は「調査ではいろいろな指摘があったが、認めてもらえたようだ。ひとまずほっとしている」と胸をなで下ろした。東京大学医科学研究所の研究者として約40年間、奄美大島で価値ある自然を見詰め続けた。「他の地域で見られないような生き物が絶滅せずに生きていることが評価された。今まで通りに人が動植物と付き合いながら、保全されていくことが大事だ」と話した。

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