規格外野菜 飲食店へ橋渡し 帯広の岸田さん新会社「MX」
新サービス開始に意欲を見せる岸田さん(中央)。TIPの仲間のまぶちファームの馬渕裕貴さん(右)と、トヅキ合同会社の石川朋佳さん(左)がアドバイザーを務める
帯広でテークアウト専門店を経営する岸田友恵さん(51)は新会社「MX」(帯広市)を設立し、規格外で廃棄予定の野菜を生産者が直接レストランなど食品取扱業者に販売できる新たなマッチングウェブサービスを今夏にも始める。農産物の高付加価値化を図るのが狙いで、自社加工もこれまで同様、積極的に受ける考えで、事業拡大に向け、工場建設も計画している。
岸田さんは帯広市生まれ。35年間、飲食業界に身を置き、2018年からは市内でテークアウト専門の「MOGMOG&」を運営。21年からは「十勝plusLLC」の屋号で百貨店バイヤーを通じ、生産者の依頼で規格外野菜のレトルト商品やスープなどを小ロットから請け負い、全国の百貨店などへ販売する事業に携わってきた。
提供予定の新サービスは「MXマーケットプレイス」で、生産者が規格外野菜などをウェブ上で直接、消費者や飲食店などに販売できる。食品取扱事業者が自社商品を販売できるほか、MXが生産者の依頼で原料加工・商品化も行う。
昨年、起業塾「とかちイノベーションプログラム(TIP)」(9期)に参加、事業の拡大を検討。TIP7期生で、ウェブメディア事業を展開する「スマヒロ」(帯広市、北川宏社長)のマッチングシステムを活用することとした。料金システムなどは最終調整中。参加する生産者などの募集を開始した。
岸田さんは、国内で収穫される野菜の約20%が規格外などで廃棄されているとし、「廃棄に悩む生産者が多い。規格外野菜に特化したマッチングサービスは珍しいと思う。付加価値を高め、農業王国・十勝で課題解決に取り組みたい」としている。
MXは3月、資本金300万円で設立。TIPの仲間らが取締役や顧問などでサポート。自社加工は現在、MOGMOG&内で行っているが、手狭になっているため、市内に工場兼販売拠点を新設する予定で、物件を探している。問い合わせはMX(0155・67・6072)へ。
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