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松くい虫被害対策 予防散布にドローン活用 酒田で全国初の研修会 新たな手法検討

 庄内地域のクロマツ林で松くい虫の被害が大幅に増え、昨年は国有林・民有林計5万5644立方メートル(材積換算、前年2万2976立方メートル)と過去最悪になったことを踏まえ、日本松保護士会(滋賀県甲賀市、沖濱宗彦代表理事会長)は14日、酒田市飯森山公園もくもく館で、小型無人機「ドローン」による松林への薬剤散布に関する全国初の研修会を開催、関係者が座学と実演を通して運用に向けた知識を深めた。

実際にドローンを飛ばして操作方法など確認

 松枯れの原因となるのは体長1ミリほどのマツノザイセンチュウ。この虫を媒介するのがマツノマダラカミキリ(松くい虫)で、松から松へと飛び回って樹皮を食べる。この際にセンチュウが木の中に入り込むことで木が衰弱し枯れてしまうという。

 先月27日に遊佐町議場で開かれた「庄内海岸林松くい虫被害対策強化プロジェクト会議」で、事務局の県が示した庄内地域における昨年の被害状況は、民有林計3万7820立方メートル、国有林計1万7824立方メートルと、これまでで最も広がった2016年(国有林・民有林計3万921立方メートル)を大幅に超えた。市町別では鶴岡市7141立方メートル(前年3086立方メートル)、酒田市3万5031立方メートル(同1万4303立方メートル)、遊佐町1万3471立方メートル(同5587立方メートル)。事務局は、「感染源」となる被害木を全て伐倒できなかったことに加え、夏季における高温・少雨による樹勢の衰えの影響とみている。

 研修会は、被害防止に最も効果的とされる、最適な時期に松くい虫を駆除(殺虫)する「予防散布」のうち、現在は実施例が少ないものの、普及が見込まれるドローンによる薬剤散布について広く関係者から知識を得てもらおうと、日本緑化センター(東京都)認定「松保護士」の有資格者で組織する同会が初めて企画した。

 この日は国や県、3市町、地元自治会などから計約40人が出席。最初に同会参与でドローン事業を担当する斉藤次男さん(埼玉県)が「ドローンによる松林へのきめ細かな薬剤散布」をテーマに講話。無人ヘリと比較しドローンによる防除の利点として▽減農薬▽梢端への防除効果▽ムラ散布の解消▽ドリフト(飛散)の軽減▽静音▽小回り作業性▽高能率作業で時間短縮―を挙げ、「松林は離発着箇所が限られ、小回りが利くドローンは最適。ドローンは日進月歩で進化しており、旧型機と現行機ではスペックが異なる。実際に活用する場合はアプリを随時更新するなどしてほしい」などと解説した。

 引き続きヤンマーヘリ&アグリ(大阪市)が販売を手掛ける農薬散布用ドローンの実演。強風のため松林への散布はできなかったものの、出席者は操作方法などについて学んだ。

 鶴岡市は松くい虫防除に向け、24年度から導入する方針を示している。酒田市でも防除に向けた新たな手法の一つとして検討していくという。沖濱代表理事によると、今回を皮切りに今後、全国4、5カ所で同様の研修会を実施する予定という。

松枯れの原因となるマツノマダラカミキリ=日本松保護士会提供

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