「料理は愛情」気さくな人柄 十勝の関係者惜しむ 陳建一さん死去

帯広市内の北海道ホテルの20周年記念イベントで料理を振る舞った陳さん(右)。左はイタリア料理の落合務氏(2015年7月2日)
11日に67歳で亡くなった中華料理の“鉄人”陳建一さんは、たびたび十勝を訪れていた。日本中国料理協会会長として、同協会帯広支部の賞味会では調理を実演。多大な影響を受けた十勝の料理人らからも惜しむ声が聞かれた。
同支部の支部長で、帯広の中華料理店「美珍樓 西家」の鈴木邦彦社長(56)は突然の訃報に「本当にショック。時代が一つ変わるような気がする」と悔やんだ。鈴木社長の店の調理場に入り、「ホイコーローチャーハン」を振る舞ったことも。ゴルフ好きで知られる陳さんと一緒にラウンドしたこともあった。「まさに鉄人だなと思ったが、鉄人じゃなかったんだなと。一番亡くなってほしくない人でした」
同支部前支部長で、市内の美麗華料理教室で料理指導する林功さん(72)は「まだこれからという時に。またディナーショーをやっていただきたかった」と惜しんだ。気さくで、腰が低く、偉ぶることがなかったという。得意とする四川料理は辛いイメージがあるが「味のベースはお客さまの好みだから」と話していたのが印象に残っている。客の顔を見ることの大切さを学んだ。
広尾の中華料理店「王府」の店主土谷典男さん(67)は、陳さんが帯広に訪れた際にもらった色紙の言葉「菜心是愛」を座右の銘にする。「『料理は愛情だよ』と。心を込めないと料理はおいしくない、というのを店のポリシーにしている」と語った。
テレビ番組では気さくな人柄で、視聴者にも分かりやすい説明が好評だった。分け隔てなく、にこやかに接し、四川料理を広めるとともに、中華料理界の上海や北京などの派閥をまとめ上げた特異な人でもあった。
関連記事
「ゆめひろば」イルミ点灯 長野県富士見町
長野県富士見町中心部にある多目的交流広場「ゆめひろば富士見」で9日夜、イルミネーションの点灯が始まった。町商工会青年部が企画し、約3万5000個の発光ダイオード(LED)電飾を園内に装飾。カ...
豊橋出身・村井弦斎を朝ドラに
明治時代のベストセラー小説「食道楽」で知られる村井弦斎(1863~1927年)をNHK連続テレビ小説(朝ドラ)の主人公に選んでもらおうと、出身地の豊橋市と晩年まで過ごした神奈川県平塚市の顕彰グル...
願いを込めて縁起物作り 根室金刀比羅神社【根室】
【根室】根室金刀比羅神社(前田穣宮司)の縁起物作りが最終盤を迎えている。9日には巫女(みこ)たちが願いを込めて縁起物作りに精を出した。 今年も初詣に向けた準備は11月から始まっており、準...
秋サケ漁獲伸びず 高水温影響、根室30%減、釧路11%増
根室、釧路沿岸の秋サケ定置網漁が11月末までに終漁し、漁獲数量は根室管内が249万3000匹(前年比30%減)、釧路管内が48万3000匹(同11%増)となった。2022年は漁獲数量が前年の...