マツタケ不作 長野県諏訪市後山

マツタケの出荷作業をする遠藤さん。例年の10分の1の収穫量だという
産地として知られる長野県諏訪市湖南後山地区のマツタケが、今季は不作になっている。地球温暖化に伴う夏場の酷暑と9月中の残暑、少雨傾向、発生に不可欠なアカマツの高齢化などが原因として推測されるが、マツタケの発生メカニズムが確定されていないため不明確なことが多い。マツタケ山を所有する生産者は「マツタケは分からないな」と首をかしげている。
マツタケ山を所有し、同地区で料理店「松茸山荘」を経営する遠藤猶善さん(72)=同市後山=は、「不作の年は5年に1度くらいあるが、一昨年も不作で不作年の間隔が狭まっている」と危惧する。松茸山荘は新型コロナウイルスの感染拡大で2020年から休業しており、今季はなじみ客の要望に応えようとしていたが、「客に提供できる量を確保できない」と今季も開店を諦めた。
マツタケの発生は天候や気温に左右されるが、「今年の収量は例年の10分の1以下」という。遠藤さんは後山地区に植えられているアカマツの高齢化も心配している。「後山のアカマツは植えられて100年以上。アカマツが弱ればマツタケも生えない。山を健全な状態にする必要がある」と話す。
例年だと10月中旬に発生のピークを迎えるが、「急に気温が下がり、今後の発生の望みは薄い。徐々に気温が下がるのがいい。知り合いに頼まれたマツタケを確保し、少量を出荷するので精いっぱい」と肩を落とす。
遠藤さんによると、今季の不作は同地区だけではなく、全国的な傾向で卸売価格は例年の2~3倍になっている市場もあり、「マツタケを頼まれた人にも高値になって申し訳ない」と眉を潜ませている。
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