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酒井家入部400年祝う記念式典 鶴岡「徳川四天王」現当主そろい踏み

 旧庄内藩主酒井家の庄内入部400年を記念した式典が8日、鶴岡市の荘銀タクト鶴岡で開かれた。歴史学者の本郷和人・東京大史料編纂(へんさん)所教授の記念講演、徳川宗家と酒井家をはじめとする「徳川四天王」の現当主そろい踏みによる記念座談会などがあった。9日は鶴ケ岡城址の鶴岡公園を中心に、大名行列や祝賀行列の「荘内大祭」、食のイベントやステージ発表の「荘内400年にぎわい市」が繰り広げられ、入部400年の祝賀ムードを盛り上げた。

未来に歴史と文化つなぐ 本郷さん講演酒井忠次公は「文の出来る武」の家臣

 酒井家は、徳川家康を支えた家臣団の「徳川四天王」の筆頭・酒井忠次(ただつぐ)公を祖とし、1622(元和8)年10月に3代・忠勝(ただかつ)公が庄内に入部して、400年の節目を迎えた。

 記念事業のメインとなる式典には、鶴岡市と友好関係にある鹿児島県の鹿児島市と曽於市、東京都の江戸川区、墨田区、新島村、北海道木古内町の首長らが招かれ、会場は市民ら約1000人で満席となった。

 本郷さんは「酒井家・庄内の位置付け」と題して記念講演。家康の家臣に対する評価について、「文(政治)よりも武(軍事)を重視し、戦で着実に成果を上げた人を引き上げた。酒井忠次を筆頭とする四天王のように『文の出来る武』の家臣は特に重く見た。さらに四天王家は徳川家にとって最も特別な存在であり、庄内藩酒井家は会津藩とともに連携して東北の伊達、佐竹、上杉の外様大名を抑える役割を担った」と解説した。

 「未来に歴史と文化をつなぐために」をテーマにした記念座談会では、徳川記念財団理事長の徳川家広さん、四天王の酒井忠次家の18代当主酒井忠久さん、本多忠勝家22代当主の本多大将(ひろゆき)さん、榊原康政家17代当主の榊原政信さん、井伊直政家18代当主の井伊直岳さんが、それぞれの家に伝わることなどを披露。徳川さんは家を継ぐ苦労を「引き継いだ物が多く、保管するために収蔵庫を借りている」と説明し、各家でも貴重な歴史資料を次代につなぐために管理に苦心していることを紹介。「目立ったことはせず慎むように」(本多さん)、「家を継承していくために質素で」(榊原さん)と先代らから教えられてきたといった披歴もあり、家を絶やさずに守り伝えることの苦労も語られた。

 酒井さんは「庄内入部以来どこにも移ることなく400年を迎えた。先人たちに感謝したい」と庄内への愛着と感謝を語り、「次の時代にも歴史と文化を引き継ぎ、夢のある庄内へと発展していくことを祈念している」と述べた。

 講演と座談会に先立ち、国指定重要無形民俗文化財・黒川能の祝賀能「高砂」の上演、皆川治鶴岡市長、酒井さんのあいさつ、徳川さんらの祝辞、小中学生歴史文化研究コンクールの表彰が行われた。式典後は、同市の東京第一ホテル鶴岡で記念レセプションが開かれた。

記念講演で酒井家と庄内の関わりを紹介した本郷さん

記念式典で行われた徳川宗家と徳川四天王家の現当主らによる座談会=8日

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