
屋根がない座席から景色を楽しむ乗客たち=6日
長野県伊那市高遠町で開催中の「高遠城址公園さくら祭り」に初めて導入された、屋根のないオープントップの2階建て観光バス「めいぷるスカイ」が好評だ。同園を発着点に、城下町や市内にある桜の名所を巡回。風を切るような開放感、高所にある桜の木を間近に眺める迫力など、新しい切り口で地域の魅力を体感してもらう。11日まで。
伊那市が包括連携協定を結ぶジェイアールバス関東(東京)の協力を得て企画。運行を同中央道支店が担い、2日から始まった。バスは高さ約3.8メートル、長さ約12メートルで、乗車席は最大44席。目線が高く、周囲を広々と見渡せるような感覚が魅力の一つ。密閉空間になりにくく、新型コロナウイルスの予防にもなる。
コースは2種類。平日は、同園から高遠大橋を渡り、三峰川沿い、六道の堤などを経て、高遠の城下町に戻る約13キロ。土日は、ループ橋から高遠中学校方面に出て、街中を通る約5キロになる。ガイドは同市の地域おこし協力隊員が務めている。
6日は好天に恵まれ、バスは春めいた市内へ出発。高遠町歴史博物館方面から三峰川沿いに進み、さらに六道の堤へ。桜は見頃がこれからという場所が多かったが、乗客たちは景色を楽しみ、スマートフォンで撮影したり、くつろいだ様子で眺めたりしていた。木の枝がすぐそばまで迫る場所も注目を集めた。
1歳と3歳の息子や親族ら6人で乗車した宮田村の20代女性は「普段の道が違う景色に見えた。桜の木を近くに感じて圧倒され、手が届きそうだった」と喜んでいた。
料金は、平日が中学生以上1000円、小学生500円、土日は中学生以上500円、小学生250円で、未就学児はともに無料。予約不要。運行本数は平日が最大6便、土日は最大7便。天候などにより運休や時間を短縮する場合もある。
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