「お年寄りにはいつも輝いていてほしい」と話す美濃島さん

　長野県駒ケ根市北割一区の介護福祉士、美濃島真弓さんは、高齢者施設など介護現場で10年以上働いた経験を生かし、施設の利用者にアロマトリートメントと筋肉ほぐしを施術する介護アロマセラピーの訪問サービス「マリーズガーデン」を立ち上げた。施設利用者に多いという冷えやむくみ、肩こり、腰痛などさまざまな体の不調や悩みを和らげるサポートをするとともに、心安らぐ癒やしのひとときを提供する。美濃島さんは「利用者一人ひとりと大切に向き合い、高齢者が”幸齢者”になるお手伝いをしたい」と意気込んでいる。

■さまざまな模索の末に

　介護の仕事を続ける中で美濃島さんが痛感したのは現場の人手不足。利用者それぞれがスタッフとのコミュニケーションや会話、ふれあいを望んでも、満遍なく一人ひとりに関われないもどかしさがあったという。「もっと話がしたい、寂しいと仰られる利用者もいた。冷えや不眠に悩んだり、乾燥やむくみが気になる方も多かった」。

　日々利用者を介護しながら「人に触れられることで人は心が安定し寂しさも解消される」と実感していた。利用者一人ひとりとしっかり向き合えて、体の不調や悩みの緩和にも役立つ仕事はないか―。視点を変えて介護を考えたいといったん現場を離れた美濃島さんが、さまざまな模索の末に巡り合ったのが「アロマセラピー」だった。

　アロマセラピー（アロマテラピー）は、植物の花や葉、果実、樹皮などから抽出した天然素材の香り成分である精油（エッセンシャルオイル）を使って心身のトラブルを穏やかに回復し、美と健康に役立てる自然療法。美容やリラクゼーションはもちろん、介護や医療、予防医学などにも取り入れられており、広範な分野で活用が進んでいる。

■検定合格や資格を取得

　美濃島さんは公益社団法人日本アロマ環境協会（ＡＥＡＪ）のアロマテラピー検定１級に合格したほか、同協会認定のアロマテラピーアドバイザーやアロマハンドセラピストの資格を取得。依頼に応じて高齢者施設を訪問し、利用者一人ひとりの体調に合わせて適切な施術を行う訪問サービスを始めた。

　施術メニューの一つ「アロマトリートメント」（３０００円～）は、心地よい香りの精油を含んだホホバオイルを使って心身の緊張をゆっくりほぐしていくハンドトリートメント。血行促進や保湿効果も期待できるという。もう一つの「筋肉ほぐし」（４０００円～）は、日常生活動作に欠かせない大切な筋肉を衣類の上から丁寧にもみほぐす施術。血行促進に伴う首や肩の痛み、腰痛の緩和に期待できるほか、施術中にアロマの香りを漂わせることでリラックス効果も高いという。

　訪問地域は主に駒ケ根市、宮田村、飯島町とし、他地域からも要望があれば相談に応じる。予約受け付け時間は午前９時～午後３時。不定休。

　予約、問い合わせはマリーズガーデン・美濃島さん（電話０９０・３４５６・７７２１）へ。