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諏訪の武将大活躍 漫画「逃げ上手の若君」人気

諏訪(照雲)頼重の供養塔を訪れた石埜さん=茅野市宮川。「逃げ上手の若君」の作者・松井優征さんの取材に協力し、諏訪地方を案内した

 鎌倉時代後期から南北朝時代初期に実在した諏訪の武将、諏訪頼重(不明~1335)が主要なキャラクターとして登場し、諏訪地方が物語の大事な舞台として登場する少年漫画が話題を呼んでいる。週刊少年ジャンプに1月から連載中の「逃げ上手の若君」だ。作者は「暗殺教室」などで知られる人気漫画家の松井優征さん。単行本第1巻が発売中だ。

■主要人物に諏訪頼重

 漫画の主人公北条時行は、1333年に滅亡した鎌倉幕府執権北条氏の本家筋最期の当主・北条高時の遺児。主要人物として登場する諏訪頼重は諏訪明神の依り代(神霊が宿る対象物)として諏訪社の頂点に位置した神職「大祝」を務めた後、武士となり、時行を助けた。2年後、頼重は時行を擁立して挙兵。東進して建武新政権側の足利直義(足利尊氏の弟)を敗走させ、鎌倉を一時的に奪還する。歴史上では「中先代の乱」と呼ばれている。

 少年ジャンプの連載で松井さんが描く頼重は、逃げ上手という天性の才能を持った時行を守り、導く参謀役。時行の生涯を決定付けるキーパーソンとして描かれている。信濃諏訪の国の神官で断片的ながら未来が見通せるという神力を持つ人物で、オーバーなリアクションで笑いを誘いつつも、逃げることで英雄となる時行を育てていく。松井さんは頼重について取材に、「武士で神官で神という特異な立場にあり、さらには強固な忠義を持ち合わせた謎だらけで魅力的な人物」と語る。

■御柱祭にも興味

 作者の松井さんは連載開始前の昨年秋、2日がかりで諏訪地方を取材している。案内役は諏訪地方を拠点に活動する信仰史などの研究会「スワニミズム」の石埜三千穂事務局長(56)=下諏訪町上久保=が務めた。松井さん側の希望は諏訪大社4社(上社本宮、前宮、下社秋宮、春宮)や神長官守矢史料館(茅野市)の案内だったが、石埜さんは作品の時代背景や作者側の意図を聞き、中世の雰囲気が感じられる場所を訪問先として提案。八島湿原の南端にある旧御射山社(諏訪市)や乙事諏訪神社(富士見町)などを追加で案内した。乙事諏訪神社は江戸時代初期、1617(元和3)年の建築物で、もともとは「諏訪神社上社本宮」の幣拝殿。「逃げ上手の若君」の中で時行が諏訪に入った際に描かれた諏訪神社はその特徴から「乙事諏訪神社を基に描かれたのでは」と石埜さん。

 原村内を移動中には時行が見たであろう八ケ岳連峰の風景などを紹介した。松井さんは神社仏閣や雄大な自然だけでなく、時折、車を降りては森の中の小さな小川など多様な資料用写真を撮り集めた。御柱祭にも興味を持ち「御柱祭に対する氏子の皆さんの情熱は尋常ではない」と振り返った。取材を通じた諏訪の印象について「ごく自然に諏訪大社が諏訪の人たちの精神の中心にあると感じた」とした。

■石埜さん「中世にスポットうれしい」

 案内した石埜さんは「諏訪の歴史というと縄文、または戦国~江戸時代に関心を向ける人が多い。そうした中で諏訪の中世にスポットを当ててくれたことがとてもうれしい」と喜び、今後に期待を寄せていた。

 第1巻に続き、8月4日には第2巻が発売される予定。松井さんは「諏訪の人々が天下を震撼させた無二の大乱を少年漫画らしい熱さを添えて描いていきたい。読んでもらえるとうれしい」とコメントした。

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