
蒸した酒米をタンクへ入れる新成人
長野県辰野町小野の小野酒造店で、新成人による酒造りプロジェクト「oresake(オレサケ)」が進められている。町内出身または在勤の男女5人が参加し、地元産の酒米を使った仕込みからラベル制作までを自分たちで行う"オール辰野"の酒造りに挑戦。3月に商品化する予定で、地場産品の魅力発信と郷土活性化につなげようと積極的に取り組んでいる。
プロジェクトは、同酒造店と町内酒販店でつくる辰野酒商組合が、若者に町の地酒の素晴らしさを知ってもらおうと提案。官民連携組織の食の革命プロジェクト運営協議会や町地域おこし協力隊と連携して、昨年8月の町成人式で参加を呼び掛けた。
参加者はいずれも21歳で会社員の小野華奈さん=辰野町出身=、小澤誠世さん=同=、春日利雄さん=同=、町内事業所に勤務する古畑帆崇さん=松本市出身=、町地域おこし協力隊の角谷達則さん=愛知県出身=の5人。
昨年9月にプロジェクトが始動し、同酒造店の杜氏らによる酒造りの基礎講座を経て、ラベルの原案を検討。オリジナル商品となる純米酒のコンセプトを「香り高く華やかで、濃い酒」と決め、今月11日の仕込み作業に臨んだ。
仕込みでは、前日洗った酒米を蒸した後、手で混ぜて適正な温度まで冷まし、次々とタンクへ運んでかい入れ(かくはん)を行った。白米で79キロを使い、720ミリリットル入り瓶約700本分を仕込んだ。3月上旬に搾りの作業を行い、同月中旬以降にラベルを張って販売する計画だ。
参加者は0度以下まで冷え込んだ蔵の中で、白い息を吐きながら作業。「1分1秒を争う過酷な仕事。人の手が入ってこそ、おいしい酒になることが分かった」「地元でオリジナルの酒造りができる貴重な機会。思い描いた酒になるよう、最後までしっかりと作業したい」と話していた。
プロジェクトは、来年度も若者を対象に継続展開する考え。同酒造店の小野能正社長(61)は「みんな一生懸命に取り組んでくれて頼もしい。小さな酒蔵の小さな試みだが、少しでも日本酒に興味を持つ若者が増えれば」と期待している。
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