青紫色の花に包まれるあやめヶ原

　町末（ま）広（びろ）の原生花園あやめヶ原で、ヒオウギアヤメが咲き始めた。１９日から２７日まで開催予定だった第６２回あっけしあやめまつり（町、厚岸観光協会主催）は新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止となったが、あやめヶ原は１０月３１日まで自由に入園できる。

　あやめヶ原は厚岸霧多布昆布森国定公園の一部で、１００㌶の敷地にヒオウギアヤメ約３０万株が群生する一大景勝地。３カ所の展望台からは、大黒島や複雑な海岸線が続く太平洋を一望できる。

　花は昨年より４、５日早い今月初旬から開花。１６日現在４、５分咲きで、シコタンキンポウゲやシロバナスミレなどの草花も咲き並ぶ。１３日からは９頭の馬が放牧され、草を食べる姿を間近に見られる。訪れた人たちは、展望台や群落の中で撮影や散策を楽しんでいた。

　町によると、見ごろは２０日すぎから今月下旬ごろ。同園駐車場の観光サービスセンターではクマよけの鈴を無料で貸し出す。町では「来園者との距離を保ちながら観賞してほしい」と呼び掛けている。