紙芝居で「御渡り」と冬の諏訪湖風物紹介
紙芝居「御渡り」を作った河西さん(左)と小平さん
5季ぶりの出現が期待される諏訪湖の御神渡り(御渡り)。小学生にも御神渡りを知ってもらおうと、信州児童文学会とうげの旗同人の河西皆子(本名、美奈子)さん(46)=岡谷市銀座=と、グラフィックデザイナーの小平陽子さん(49)=同市塚間町=が、紙芝居「御渡り」を作製した。オリジナルキャラクターの掛け合いで、神話と自然現象、歴史から冬の諏訪湖風物を紹介する内容。厳冬期を迎えて一層話題が高まりそうだ。
御神渡りに関する書籍は専門的で子ども向けがないことに気付き、小学校高学年が分かるように手掛けた。御神渡りの判定と神事をつかさどる諏訪市小和田の八剱神社の宮坂清宮司に話を聞き、資料や諏訪の民話などを参考にし、河西さんがオリジナルシナリオを担当。小平さんは鉛筆で下絵を描いてから、パソコンの画像処理ソフトで絵筆のように仕上げた。2017年12月に完成し、岡谷市の小学校2校と諏訪市教育委員会の親子講座で披露している。
紙芝居はA3サイズ全10枚で、キャラクターの「スワんこ」ちゃんと「天リュウ」くんがガイド役。表紙の神聖な御神渡りのイラストで始まり、神社関係者による拝観式、男神が女神に会いに行く場面、3本の筋の位置、1396年から続く神社の記録、「明けの海」の年、かつての下駄スケートなども紹介し、多面的に触れている。
2人で紙芝居を手掛けるのは2016年に作った「諏訪の御柱祭」に続き2作目。1年がかりで完成し、「荘厳なイメージとキャラクターのイラストで全体のまとまりが難しかった」と振り返る小平さんは「対話式なので読み手が工夫でき、大人も楽しめるのでは」。上演時間は約10分。河西さんは「子どもに伝わり、楽しく聞けるようにした。御神渡りを勉強して知ることが多かった。子どもたちにも生まれ育った地域の文化として耳や心に残ってもらえれば」と期待した。
150部作り、今月から諏訪地方の図書館で借りられる予定。価格は1部1900円で、笠原書店本店で扱う。紙芝居の問い合わせは、岡谷お話の会の高橋さん(電話080・5407・7012)へ。
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