「回収にめど」三反園・鹿児島県知事

砂浜で漂着油の回収作業を行う三反園知事(左手前)=15日、鹿児島県奄美市名瀬の朝仁海岸
鹿児島県奄美群島の各地で漂着油が確認されている問題で、三反園訓県知事は15日、奄美大島入りし、奄美市名瀬の朝仁(あさに)海岸で油の回収現場を視察した。自身も回収作業を行った三反園知事は「地元自治体や住民の協力で、回収作業が順調に進んでいると思う」と語り、「回収作業についてはめどが立ってきた」と見解を述べた。
漂着油への対応に関して県はこれまでに回収作業マニュアルを作成して、地元自治体などに配布。漂着が確認された地域では、住民ボランティアによる回収作業も行われている。回収環境を整えるため、奄美大島内では油の回収容器としてドラム缶130本が配置されている。
三反園知事は、漂着確認後の経過などについて大島支庁の担当職員から説明を受けた後、他の職員らと共に油が付着した石や砂の下に埋もれた油の塊を回収。「他の島々でも漂着した油の回収作業が順調に進んでいるという報告を受けている」と述べた。
生態系や漁業への影響懸念については「まずは環境省の調査結果を待ちたい。世界自然遺産登録への影響はないと聞いているが、漁業や環境への影響もないよう、われわれもしっかり調査し随時発表していきたい」と話した。
三反園知事は今後の見通しについて、奄美市が18日に市民参加での清掃作業日を設定していることに触れ、「18日を過ぎれば、いつごろまでに回収できるかのめどが立ってくると思う」との見方を示し、「今後も国や市町村とも連携し、回収作業に全力で取り組みたい」と語った。
漂着油の問題に関しては環境省が14日、奄美群島国立公園の海域公園区域である奄美市名瀬の大浜海岸や同市笠利町の用海岸、瀬戸内町の海浜部などで船上や海岸線からの目視調査を開始した。
さらに、奄美市の大浜、用(よう)、朝仁、知名瀬(ちなせ)の4海岸と大和村の今里(いまざと)海岸を重点区域として環境モニタリングを行うなど、監視活動を強化している。同省の担当職員は目視調査について「現時点では具体的な期間は決めておらず、当面、続けることになるのではないか」と話した。
関連記事
和歌山大・慶応大と連携協定 教育のICT化推進
和歌山県教育委員会は29日、ICT(情報通信技術)を活用した教育について協力をもらおうと、和歌山大学や慶応義塾大学SFC研究所と連携協定を結んだ。 県教委は来年9月までに、県立学校や県教育施...
生誕120周年記念コンサート 来月8日、知里幸恵 銀のしずく記念館 登別
「アイヌ神謡集」の著者知里幸恵(1903~22年)の業績を伝える登別市の「知里幸恵 銀のしずく記念館」(登別本町2)は6月8日午後3時から、生誕120周年記念コンサートを開催する。出演予定だったフ...
早乙女ら献上米のお田植【山口】
秋の宮中行事「新嘗祭(にいなめさい)」に献上される米のお田植え式が27日、山口市仁保上郷の平岡武さん(67)の水田で行われた。平岡さん、JA、市の関係者、早乙女が一緒に田んぼに入り、「恋の予...
映えるゴテチャ、6月上旬まで見頃 二俣瀬車地【宇部】
宇部市二俣瀬車地の畑で、アカバナ科の花「ゴテチャ」が見頃を迎えた。赤、白、ピンク色の花弁が風に揺れ、辺りは華やかな雰囲気に包まれている。 畑は約1000平方㍍あり、管理するのは近くに住...