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人類の遺産 首都で輝く

 南米アマゾンの生物・民族資料約2万点を収集し世界的にも高い評価を受けている鶴岡市陽光町在住の文化人類学者、山口吉彦さん(77)の民族資料コレクション展とトークショーがこのほど、東京都江東区新木場の複合施設「CASICA」で行われた。展示には4日間で延べ3500人を超す人が訪れるなど大きな反響があり、関係者は「資料は人類の遺産だということを再確認できた」と手応えを感じている。

 首都圏の女性たちが既存の価値観にとらわれず教育・文化の推進事業などを手掛けているベンチャー企業「mother dictionary」が、「旅と手しごと」をテーマに対話・展示などを行うプロジェクト「TRACING THE ROOTS」の一環で開催。今月5―8日の4日間、インディオの羽根飾りや生活用具など山口コレクションの民族資料約150点を展示した。

 関係者によると、4日間の来場者は延べ3555人。事前に首都圏のシティーガイド「タイムアウト東京」やFMラジオ局「j―wave」のホームページなどで取り上げられたこともあり、主催者の予想を大きく上回る来場者数となった。

 会場では、山口コレクションをかつて展示していたアマゾン自然館とアマゾン民族館(ともに鶴岡市)が2014年までに閉館し、資料は現在、同民族館の収蔵庫に暫定的に保管されているが、市の方針で来年3月末までには全てを運び出すことが求められ、保存・継承が危ぶまれている現状も紹介。来場者からは「これだけの資料は売らずに保存して」「鶴岡市で保存できないなら、山形県で何とかならないか」「自分の住む町に誘致したい」「海外の美術館に話しては」などの声が寄せられた。

 6日に行われたトークショーには約80人が参加。山口さんと、庄内の伝統を生かした新たな手工芸品開発などを手掛けている「日知舎(ひじりしゃ)」代表で、東北公益文科大で文化人類学を講義している成瀬正憲さん(39)=鶴岡市三瀬=との対話を聞いた。

 対話で山口さんは、インディオたちと生活を共にし少しずつ信頼関係を築きながら物々交換で資料を集めた経緯を紹介。「彼らは自然を神とあがめ、生態系のバランスを崩さないように生きるすべを知っている。この地球は薄いガラスのように危ういもので、破らないように後世に伝えないといけない。自然は、今の自分たちだけに与えられたものでなく、孫子の代まで残すように生活しないといけない」とインディオから学んだ知恵を熱く訴えた。

 成瀬さんは本紙の取材に対し、「予想を大きく上回る来場者があり、反響の大きさに驚いた。山口コレクションは人類の遺産だということを再確認できた。まずは地元で保存・活用する道をあらためて探りたい。そうすることへの大きな自信を与えられた」と話した。

6日のトークショーでインディオの暮らしなどを語った山口さん(左)と成瀬さん(右)

東京・新木場の山口コレクション展会場の様子

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