石匠の仕事に歓声 高遠で実演会
重さ800キロもある御影石を「セリ矢」で割ってみせる唐木さん(左)
高遠石工を生んだ長野県伊那市高遠町で10日、石匠の仕事のすごさを知る実演会があった。同市高遠町公民館が現職石匠を講師に招いて「最も美しい村・ジオパーク講座」を開催。見学した約40人の受講者は、重さ約800キロの御影石を小さな道具を使って割る技術に歓声を上げた。
講師は高遠石工の流れをくむ北原石材店(同市高遠町東高遠)の店主北原多喜夫さんと、唐木屋石材工芸(同市西春近)の会長唐木一平さんで、上伊那石匠組合が協力した。
唐木さんは今も使われている「セリ矢」と呼ばれる道具を使った石割りを実演した。ドリルで開けた四つの予備穴のそれぞれに「セリ矢」を入れ、石頭=金づち=でたたいていくと、ピシッという音とともに裂け目ができ、予備穴に沿って石が割れた。
北原さんは「豆矢」と呼ばれる道具を使って御影石を割ってみせた。豆矢を入れるための穴をノミを使って開けていく作業から実演。「この石の割り方をしていたのは昭和の頃で、私も30数年ぶり」と話す北原さんだったが、当時の道具で熟練の技を披露した。
コツ、コツと石頭を振るう様子を見ていた受講者からは「いつの間にかあんなにくぼみができてる。だけど、割るまでには気の遠くなる話だね」という声も。北原さんがその小さな穴に豆矢を打ち込み、予定していた場所で割ってみせると、「おー」という声とともに拍手が湧いていた。
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