「スクールソーシャルワーカー」を育成

問題を抱える児童生徒の環境改善を目指すスクールソーシャルワーカー養成の教育課程について会見する公益大の伊藤教授(左)と武田教授
東北公益文科大(吉村昇学長)は、いじめや不登校、虐待といった児童生徒を取り巻く環境に総合的に対応し支援する「スクール(学校)ソーシャルワーク(SSW)」教育課程を新たに大学院修士課程に設置する。大学院で同課程の設置は全国初。本格的な開講は今年秋を予定。社会人選抜も行っている同大では「スクールソーシャルワーカーの認知度を高めながら、各自治体への配置を求めるなど活躍の場を広げ、地域の児童生徒の環境改善につなげたい」としている。
SSWは、学校だけでは解決できないいじめや虐待、不登校といった児童生徒が抱える問題を教職員や関係機関と連携し解決策を探る。臨床心理士や精神科医らによる「スクールカウンセラー」が子どもの心のケアに対応するのに対し、社会福祉の専門職として児童生徒の個別の問題ではなく、取り巻く人間関係や生活環境といった「関係性の問題」として捉えて解決策にアプローチする。国家資格ではなく、民間の一般社団法人日本ソーシャルワーク教育学校連盟が認定する。
同大では、武田真理子教授が中心になって昨年9月にSSW教育課程の開設を申請、今年1月に認定された。東北では東北福祉大の1カ所を含め全国の四年制大学や専門学校の計30大学・学校で設置されているが、大学院では初。同大では修士課程に設置することでより現場での即戦力となる人材を育成する狙い。
公益学修士課程の中の「地域共創・ソーシャルワーク研究領域」にSSW論、同実習などを新設。2年課程の中でSSW科目の履修と修士論文の作成によって登録資格を得る。受講資格は社会福祉士か精神保健福祉士の有資格者か、在学中で両資格の取得見込み者。新年度の大学院入試の出願締め切りは16日(金)。
9日に鶴岡市の同大鶴岡キャンパスで記者会見した大学院公益学研究科長の伊藤眞知子教授と武田教授は「本県で本年度に採用しているSSWは9人。庄内でも独自に採用している自治体もあるが、各市町村教育委員会にも声掛けして勉強会なども重ねながらSSWの認知度を高め、現場で活躍できる人材を育成し地域の子どもたちの環境に役立てたい」と話した。
問い合わせは公益大大学院事務室=電0235(29)0555=へ。
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