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荘内日報社

西郷隆盛と菅実秀「徳の交わり」 中3生の道徳教科書に

 2019年度版の中学3年生向け教科書「中学道徳3 とびだそう未来へ」(教育出版)に、150年前の戊辰戦争で激しく敵対した薩摩藩の西郷隆盛と庄内藩の菅実秀の戦後の深い交流を紹介したコラム「徳の交わり―西郷(せご)どんと菅(すげ)はん」が掲載されている。敗れた庄内藩に対する西郷の寛大な処分と、西郷の人柄に引かれた菅ら庄内藩士と西郷の交わり、西郷の教えを基にした松ケ岡開墾、菅らによる「南洲翁遺訓」の編さんに触れ、郷土の復興に尽くした先人の姿を通じて、郷土の発展のために寄与することの意義を伝えている。

 コラム「徳の交わり」は、先人たちの生き方を見つめて郷土への理解を深める教材の一つとして取り上げられた。19年度から中学校で新たに教科化される道徳の授業で、「物事の本質を伝えたい」との考えから中学3年生の教科書にピックアップ。教育出版(東京)が、庄内地域の関係者に取材するなどして2ページにまとめた。

 戊辰戦争後、西郷の勧めもあり、「国の近代化にも役立ち、西郷どんへの恩返しにもなる。戊辰戦争で敗者となった庄内藩の汚名もすすげる」と取り組んだ、元庄内藩士約3000人による約312ヘクタールの松ケ岡開墾に対し、新政府が反乱の疑いを抱いた。これに対し、西郷が「国のために産業をおこそうとがんばっている庄内の人たちを褒めるどころか疑うとはなにごとか」と一喝したとの記述もある。

 コラムでは明治維新の大転換期に、庄内の人たちを郷土復興のために駆り立てた心の支えは、西郷と庄内との「徳の交わり」にあったとし、西郷の教えをまとめた「南洲翁遺訓」を通し、その教えは今も受け継がれていると紹介している。

 酒田市の南洲神社にある西郷と菅の「徳の交わり」を表した座像の写真も掲載した。取材に協力した酒田市の公益財団法人荘内南洲会の水野貞吉理事長は「戊辰戦争150年、明治維新150年で県内外から南洲神社を訪れる人が増えているが、なぜ西郷先生と庄内が結ばれているかを知る人は多くない。教科書に載ることは、とてもうれしい。庄内の人々が西郷先生へ尊敬の念を持って慕う心と心のつながりを、教科書を通じて広く全国の中学生に知ってもらえれば」と話した。

 教育出版の道徳教科書を含めた19年度用の教科用図書の展示が15―28日に、鶴岡、酒田の両市教育委員会などで行われる。

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