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荘内日報社

穏やかな老後過ごしてほしい 鶴岡市立加茂水族館 16頭育てた重度白内障のマルコ(ゴマフアザラシ)ら 動物たちの高齢化と向き合う

 鶴岡市立加茂水族館(奥泉和也館長)で飼育しているゴマフアザラシの「マルコ」(雌)が今年3月で33歳を迎える。人間の年齢に例えれば90代半ば。重度の白内障で光の明暗しか分からない状態というが、獣医師の吉見則夫さん(51)と飼育員の伊藤愛さん(32)ら水族館スタッフの献身的な介護で穏やかな老後を過ごしている。吉見さんは「人間社会と同じように水族館の動物たちも高齢化の時代に入った。そうした個体とどのように向き合って世話をしていくかが大切」と動物福祉に取り組んでいる。

専用の大きな測定板を使ったゴマフアザラシの体重測定。健康チェックは欠かせない

 マルコが生まれたのは1991年3月10日。成獣となった5歳の頃から毎年のように子どもを産み、これまでに16頭の赤ちゃんを育てた。現在、左目は失明。右目も白内障でほとんど見えない状態だが、飼育員の呼び声や物音で給餌の時間などをしっかり認識している。マルコが20代前半に迎えた最後の出産では目が不自由な中で赤ちゃんを前足で呼び寄せながら母乳を飲ませ、母親として立派に育て上げた。

 そんなマルコも年齢重ねるうち歯の根元が化膿(か)のう)するようになり、痛みで餌がうまく食べられない日も。「高齢個体の適切な扱い方を示した教科書がないだけにマルコからは毎日勉強させられる。いかにして有意義な生活を送らせるか。私たちの役割はとても大きい」と吉見さん。1日2回(朝夕)の投薬を続ける一方、伊藤さんら飼育員が食べやすいようアジのとげを取って与えるなどして今は元気に暮らしている。伊藤さんは「年齢を重ねた動物たちと一緒に知識や経験を重ね『動物介護』を学ばなければなりません」と話す。

 年明け早々にスタートした「ゴマフアザラシに餌やり体験」(午前の部と午後の部の2回)は、来館者向けに限って考えたイベントではない。「アザラシが餌を奪い合ったり、取り合ったりして野性的な感覚を奮い立たせ、退屈させない時間を与えたかった」と伊藤さん。動物の福祉と健康を考えた飼育方法「環境エンリッチメント」の一つという。

 全国的に30年以上前の水族館の姿は「アシカショー」などを多用。来館者を楽しませることに重きを置いたスタイルだったが、今は動物に寄り添った飼育環境を重視している。吉見さんや伊藤さんらスタッフは「それぞれ個体の体調にもよるが、なるべく高齢の動物たちを人前に登場させ全国から訪れるお客さんに環境エンリッチメントと動物福祉を考える機会を提供していきたい」と話している。

【環境エンリッチメント】  飼育している動物たちの暮らしを豊かにすること。もともと動物が持つ野性的な行動を発揮できるような施設づくりや飼育方法(採食、社会、認知、感覚、空間)を指す。その中で採食は自然界で一日の大半を餌探しに費やしているが、動物園では苦労せず食べ物にありつけるため退屈な時間が多くなる。本能的な行動が発揮できるようにするため餌の種類を増やしたり与え方を工夫している。

 こうした取り組みは東山動植物園(名古屋市)や長崎バイオパーク(長崎県西海市)、旭山動物園(北海道旭川市)などが有名。動物園に限らず全国の水族館も同様の取り組みを重要視している。

カリフォルニアアシカの中で最高齢の「ゆず」。今年で26歳を迎える


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