いけすですくすく サーモンの成長順調 八峰町
サーモンの養殖試験で魚体のサイズなどを調べる関係者
八峰町の若手漁業者らでつくる株式会社「八水」(菊地陽一社長)が同町の岩館漁港で取り組むトラウトサーモンの養殖試験は、昨年12月末の開始から2カ月余りが経過した。いけすに入れた500匹のうち約450匹が生存し、6月ごろの出荷までに8割の400匹を育てる目標を達成できるペース。菊地社長(42)=同町八森岩館=は「順調に成長して安心している。しっかりと管理を続けたい」と話している。
ハタハタの漁獲量減少や漁船の燃料費高騰、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う魚価の低迷などを受けて漁業者が苦境に立たされる中、サーモンの養殖試験は漁業者の収入確保や雇用創出を目指した「つくり育てる漁業」の試みで、八水が県の委託事業として実施している。
青森県深浦町でサーモンの養殖事業を手掛ける「日本サーモンファーム」の協力も得て、昨年12月27日に県内初のサーモンの養殖試験を開始。日本サーモンファームから仕入れた重さ約800㌘の未成魚500匹を漁港内に浮かべた5㍍四方のいけすに入れ、自動給餌機で餌やりするなど管理している。
試験開始から1週間で約20匹死んだが、「死んだのはもともと弱っていた魚で想定内の範囲」と菊地社長。その後はほぼ順調に成長し、455匹(今月5日現在)が生きている。
八水や日本サーモンファームの社員、県や町の職員ら10人余りが先月28日、岩館漁港で魚の大きさなどを調べた。3匹を揚げて重さを計測し、平均値は1・38㌔。最大で2・2㌔だった。「順調に成長している」と県水産漁港課。重さで管理しているため試験開始時の体長は不明というが、この日は体長も測り、平均値は48㌢だった。
試食も行い、刺し身で食べた菊地社長は「脂が乗っていて、今まで食べたサーモンの刺し身で一番うまかった」と笑顔を見せた。
4月に競りや入札に掛けて価格調査を行い、5月末~6月に出荷できる見込み。菊地社長は「このままのペースで成長すれば重さ3㌔は超えると思う。出荷に向けて、しっかりと管理を続けたい」と話した。
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