最先端の技術を体験 田辺市でスマート農業講座
リモコン式自走草刈り機の説明を受ける参加者(16日、田辺市秋津町で)
「スマート農業」について考える県主催の実践講座が16日、田辺市秋津町のJA紀南中央購買センター近くの畑であった。農家やJA、行政の担当職員ら約30人が参加し、リモコン式自走草刈り機を操作するなど最先端の農業技術に触れた。
ロボット技術やICT(情報通信技術)など、先端技術を取り入れたスマート農業の導入を促そうと県が企画した。本年度、果樹コースとして8月から有田市を皮切りに県内各地で開いており、田辺市が5カ所目。
午前と午後の部に分かれ、午前はリモコン式自走草刈り機とアシストスーツで、農機具メーカーの担当者が紹介した。
草刈り機は、ガソリンエンジンタイプ2台と電動タイプ1台を用意。価格には差があるが、いずれも満タン時の使用時間は約1時間で、作業面積は500~800平方メートル。斜面も刈ることができる。参加者は担当者から説明を受けた後、交代して操作を体験した。
3台とも操作した田辺市稲成町の平田卓巳さん(39)は「とても使いやすい。コストの問題はあるが、作業での身体的負担を減らすのに効果的だと思う」と話した。
アシストスーツは、重い物を提げる際に腰などの負担を軽減してくれる機具で、この日に用意されたのはワイヤによってつり上げることができるタイプ。
体験した北山振興株式会社(北山村)の取締役、山本正幸さん(52)は、会社が取り組む北山特産のジャバラの収穫や管理作業に生かすことができればと講座に参加。「値段は高いが画期的な機具。これを使えば、高齢者でもコンテナに入った実を楽に提げることができると思う」と話していた。
午後は農薬散布用と空撮用のドローンについて学んだ。業者の説明によると、農薬の空中散布は、現段階では使用できる農薬が少ないことが課題だが、田畑の情報を入力することで全自動でできるという。地上で農薬散布もできる無人機が開発されていることも紹介していた。
その後、参加者は順番に空撮用ドローンの操作を体験した。
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