廃棄漁具を「宝」に サンゴ守る循環型モデル構築へ ソルトラボ石垣島
八重山のサンゴなど海の環境を脅かす海中のごみ問題解決に向け、ソルトラボ石垣島(藤本健代表)が展開する「サイクラフトプロジェクト」が注目を集めている。廃棄されるマグロテグスなど漁業者の協力を得て集め、高品質な再生樹脂(ペレット)へと転換し、サングラスなどの製品として世に送り出すことで、環境保護と地域経済の自走を両立させる「島内産生循環」を目指す。
八重山では、マグロ用のテグスで5~10㌧、モズク養殖用網で70~100㌧の廃棄物が毎年、発生している。島内にはリサイクル施設がないことから多額の費用をかけて島外へ輸送するか、埋め立て処分せざるを得ない。漁業者の費用負担にもなっている。
特に問題視されているのが、海に流出した漁網などのゴーストギアと呼ばれる廃棄漁具。これらはサンゴに絡まり、日光を遮ることでその成長を阻害するほか、マイクロプラスチック流出の原因にもなっている。島を訪れるダイバーたちの目にも入ることから、観光への影響も懸念される。
同社は2024年の調査で約10㌧のゴーストギアを回収したが、その処分費用は年間約300万円に上るといい、継続的な活動には課題も多い。
科学機器メーカー出身の藤本氏は廃棄する漁具をリサイクルすることで環境保全と地域経済の循環を目指し、研究機関の協力も得ながらリサイクル(再生)とクラフト(手仕事)を組み合わせた「サイクラフトプロジェクト」をスタートさせた。
すでにマグロテグスやモズク網を原料とした高品質なペレットの製造に成功。品質の高さは、国内の樹脂メーカーからも高く評価されている。
同社は13日、八重山漁協会議室で、この再生樹脂をフレームに使用したサングラス「MAGUURO(マグーロ)」を発表。眼鏡の聖地・福井県鯖江市のメーカーが組み立てを担当。超軽量で伸縮性が高く、1月30日から2万2千円で販売開始している。すでにヒルトンホテル宮古島リゾートの社員用サングラスに採用されるなどしている。
売上金は、サンゴを傷つける漁具の撤去費用に充てられる仕組みだ。
藤本氏は「サングラスを売るだけでなく、この取り組みを通じて技術や現状を知ってもらいたい」と話し、将来的には年間100~200㌧のペレット製造を目指す。
【クラファンでさらなる挑戦】
同社は、サンゴに絡んだ漁具の処分を県の補助金と自費でまかなってきた。継続した取り組みとするため、来年度はクラウドファンディングを活用した資金調達を検討。再生樹脂で製造したサングラスなどを販売する。
クラファンは15日から4月5日までで300万円を目標にスタート。将来的には、白化サンゴを加えた複合樹脂やサトウキビから出るバガスなどを混ぜ合わせたセルロースナノファイバー(CNF)を生産するなど島内再生循環の実現を目標にすえる。

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