真栄里トーチカ跡後世に 石垣市教委が公開 調査報告書と3D動画 約2400年前の津波石利用

真栄里トーチカ跡(石垣市教育委員会文化財・市史編集課提供)

真栄里トーチカ跡の3D断面(同)
石垣市真栄里での商業施設建て替え工事に伴って発見され、戦争遺跡として初めて記録保存調査を実施したトーチカ跡について石垣市教育委員会は3月に発掘調査報告書「真栄里宮鳥トーチカ跡―商業施設建替工事に伴う緊急発掘調査―」を刊行し、4月30日からは調査をもとに作成した3D動画を市公式ホームページに公開している。同跡はすでに撤去されているが、3D動画で外観や内部の様子を詳細にみることができる。
同跡は太平洋戦争中に使用された防衛施設。2023年3月にサンエー石垣シティの建て替え工事でみつかった。発見箇所は、海軍南飛行場(旧石垣空港)の南約200㍍に位置し、敵の上陸を想定して南側に銃眼が向けられている。南側にある海までは最短で約600㍍。
報告書によると、トーチカは1943年1月ごろから45年6月ごろの間に構築・利用されたものと考えられる。津波石と鉄筋コンクリートで造られており、津波石の年代測定を行った結果、約2400年前の津波で打ち上げられた可能性が示唆された。
入り口は東側と北側の2カ所にあり、銃眼は南側と西側の2カ所に設けられている。内部は約8畳ほどの広さで、津波石の下を掘り込んで空間が造られ、壁には5カ所の棚が設けられている。床面には、黄褐色の客土が敷かれ、中央には火をたいた跡があった。出土した遺物からは薬きょうや砲弾の破片などが確認された。
調査報告書は「発掘調査によってトーチカ跡の構造が明らかとなった。発掘調査をとおし、戦争遺跡の保存・活用へ向けた一資料として、有意義な成果が得られたと考える」としている。
市内の戦争遺跡は70カ所で把握されており、市教委はこれまで戦争遺跡も埋蔵文化財の一つとして開発に伴う調整を実施しており、「今後も、基本的には現地保存が望ましいが、難しいものについては今回のように記録保存を図る必要がある」としている。
報告書は市立図書館、小中高などに配布した。
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