蚕糸業、真の姿記録 岡谷蚕糸博物館が紀要第18号発刊 長野県岡谷市

蚕糸業に関する証言、研究成果を記録した岡谷蚕糸博物館紀要第18号
長野県岡谷市の岡谷蚕糸博物館は、日本の近代化を支えた岡谷の蚕糸業に関する証言、研究成果を記録する「岡谷蚕糸博物館紀要」第18号を発刊した。聞き取り調査による工女の労働、暮らしをはじめ、製糸業とつながりの深いみそ産業、西条炭について収録。「蚕糸業の真の姿を伝えたい」としている。
培った技術や産業に携わった先人の姿から、新たな絹産業と文化を創造する糧にしようと1996年度に創刊。一時休刊を経て20年度に復活し、毎年発行し続けている。
A4判100ページ。創刊号から続く聞き取り調査の記録として、今回は製糸業経営者の体験談が中心。岡谷の製糸業をけん引した旧丸興工業の元常務取締役神戸昭雄さんのほか、かつて製糸工場を営んでいた笠原工業(上田市)会長の笠原一洋さんの話を基に、工場管理や工女の労働、生糸や繭の売買について収録した。
製糸工場で工女の食を支えるみそを自家製造していたことから始まる醸造業の発展、ボイラーの燃料として製糸業を支えた西条炭、製糸業の発展に寄与した第十九銀行について記録している。
きものジャーナリストの中谷比佐子さん=東京=の協力を受け、同館で開催した企画展を紹介。今年度新たに寄贈された蚕糸資料の調査結果、小学生による蚕学習なども載せている。
同館の髙林千幸館長は「製糸業に携わった人が少なくなる中で、紀要には体験談を聞き取り残していく使命がある。歴史や技術、関係者の思いから新たな取り組みまで、今昔を伝えられれば」としている。
500部製作。税込み1300円。同館と笠原書店本店(同市塚間町)で販売。問い合わせは同館(電話0266・23・3489)へ。
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