若者2人が大内塗の職人へ、山口市版地域おこし協力隊に着任【山口】
山口市唯一の伝統的工芸品である大内塗の継承を目的とする市版地域おこし協力隊として1日、金子祐樹さん(28)と津村真衣さん(24)が着任した。市と大内塗漆器振興協同組合(中村建理事長)が国の制度を拡張し、志ある若者を受け入れて後継者として育てていく。任期は最長で2028年5月31日まで。
同組合は職人の高齢化と後継者不足に苦しんでいる。市内に4軒ある工房に在籍する職人の平均年齢は70歳以上で、最年長が96歳、最年少が51歳。若者を受け入れたくても、修業期間の長さとその間の給与を保障できないのが最大の課題となっていた。
ここで着目したのが協力隊制度。市と同組合が協議を重ね、独自の制度を考案した。本来なら3年の任期を5年に拡大し、募集対象に大内塗になじみのある市内在住者を加えることで、後継者確保の基盤を準備した。
市ふるさと産業振興課の古谷弘之主幹(49)は「市が給与を担保することで技術の習得に専念してもらい、市民に愛される大内塗の産業振興を後押しする」と話す。
金子さんは下松市出身。県立大国際文化学部を卒業後、大内塗の素材を作る木地師として同組合に所属。山口市内(天花)に工房を構え、大内人形の木地やわんを製作してきた。
山口市出身の津村さんは同大大学院国際文化学研究科を修了。在学中から大内人形のリングホルダーを製作、販売するなど経験を積んできた。
市役所での着任式で金子さんは「厳しいのは承知の上での挑戦。職人の個性が輝く大内塗の魅力を伝えたい」と意欲。津村さんは「これまでの伝統を踏まえて、今のライフスタイルに合った新しい大内塗を発信したい」と目を輝かせた。
2人は、同組合に加盟する中村民芸社を中心に各事業所で技術の習得に励む。山口ふるさと伝承総合センターで大内塗の箸作り体験にも携わる。
中村理事長(51)は「5年で職人として一人前になるのは難しいのが本音だが、是が非でも育て上げる」と決意。組合は5年間のカリキュラムを作成し、段階的に大内塗の全工程を習得できるよう指導する。市も指導する職人への報奨金や工房への設備導入を通じて支援していく。
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