「ケンムン」研究で優秀賞 大島北高生、国学院大伝承文化コン

ケンムンの研究に取り組んだ(左から)小牧さん、亀山さん、豊田さん=2022年12月23日、鹿児島県奄美市笠利町
奄美の伝説上の妖怪「ケンムン」をテーマに鹿児島県奄美市笠利町の県立大島北高校の生徒が取り組んだ研究が、国学院大学主催の第18回「地域の伝承文化に学ぶ」コンテストの地域民話研究部門で優秀賞に輝いた。昨年12月4日に同大学で表彰式があり、研究を行った亀山千尋さん(3年)、小牧優直さん(同)、豊田妃奈さん(同)が出席。フィールドワークや文献調査などを基にケンムンの存在について深く考察した内容が評価された。
研究タイトルは「奄美の不思議な住人~ケンムン?ヤマワロ?ウバ?カッパ?~」。亀山さんが発起人となり、有志のメンバーを募って研究チームを結成。6月から9月にかけて調査を実施し、江戸時代の奄美の生活を記録した「南島雑話」などさまざまな資料を読んだり、博物館を訪問したりしてケンムンの特徴や由来を探った。
ほかの妖怪との比較調査では、鹿児島県本土に伝わるカッパの一種「ガラッパ」を研究している阿久根市の鶴翔高校と交流。リモート形式のミーティングで調べたことや参考文献などを共有し、ケンムンとカッパの違いや共通点をまとめた。
「資料ごとに説明が異なり、情報が多くてまとめるのに苦労した」と亀山さん。調べたことを踏まえて、ケンムンをはじめとする妖怪は昔の人々が自然に寄り添い、さまざまな「不思議」と向き合う中で生まれたと結論付けた。現代人によって観光にも利用されるようになったケンムンの移り変わりにも着目した。
豊田さんは「ケンムンには優しいイメージを持っていたが、調べていくと怖い話もあり、結局『ケンムンって何だろう』と謎が深まった」と振り返り、小牧さんは「昔はケンムンに実際会ったという人がいるが、現代ではほとんど聞かない。情報化などで(人が)自然と離れ、ケンムンの存在が遠くなったのでは」と語った。
研究の一環として、宇検村で実施したフィールドワークの体験を基に亀山さんが書いた作文「奄美ケンムン紀行」は、2022年度「第65回県児童生徒作文コンクール」の高等学校の部で特選を受賞した。
作文には、同村に設置されている6体のケンムン像を巡って感じたことや、子どものころにケンムンと相撲を取ったことがあるという曾祖父の体験談を盛り込んだ。
亀山さんは「ケンムンは怖いものもいれば、人助けをするなどフレンドリーなものもいて、人間と同じでいろんな性格がある。ケンムンがどんな存在なのか、もっと時間をかけて自分なりに考察していきたい」と話した。
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