
縄文人が掘った黒曜石採掘穴を間近に見学したツアー参加者
長野県下諏訪町観光振興局は22日、同町郊外にある国史跡「星ケ塔黒曜石原産地遺跡(星ケ塔遺跡)」を訪ねる日帰りツアーの今季初回を開いた。全国各地から定員いっぱいの15人が参加。一行は標高約1500メートルにある鷲ケ峰山裾にある、およそ3000年前の縄文時代晩期の黒曜石を採掘した穴を間近に見学し、縄文人の暮らしに思いをはせた。
昨年、人気番組で取り上げられて注目を集めた同遺跡。同じタイミングで同遺跡の見学を中心としたツアーを初企画したところ、キャンセル待ちが出るほど人気に。新型コロナウイルス感染症対策のため昨年は参加者を県内限定としたが、今年は全国に対象を拡大。2年目も人気は高く、日帰りツアーは完売しつつあるという。
この日、参加者は町内の星ケ塔ミュージアム「矢の根や」をまず訪問し、遺跡の歴史などに理解を深めた。同町諏訪湖博物館の宮坂清館長が案内役を務めた。星ケ塔遺跡の黒曜石が”透明”であることや青森県や北海道でも発見されている点を紹介し、「海路で黒曜石が運ばれたのでは。黒曜石を通して、縄文人のダイナミックな動きがよく分かる」と解説した。
許可がないと立ち入れない遺跡では、宮坂館長がかつて発見した、国内唯一という黒曜石の岩脈が確認できる採掘穴を見学。「周りが急坂なのにここは平らだったので掘ってみた。発見時はしばらくぼうぜんとなってしまった」と、発見当時の心境も明かした。
昨年、テレビ番組を見てからツアー参加を心待ちにしていた後藤哲哉さん(69)和子さん(69)夫妻=大津市=は「縄文人が目の前で穴を掘る様子が、想像力に訴え掛けてくる」と感激していた。
同遺跡ツアーでは今季新たに、御柱祭や縄文時代中期の集落遺跡「井戸尻遺跡」(富士見町)とセットにした宿泊プランも用意している。同振興局は「今後も息の長い旅行商品として育てていきたい」としている。
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