古民家を住民憩いの場に再生 伊仙町 観光資源としても活用

オープンセレモニーであったテープカット=18日、伊仙町阿権
鹿児島県伊仙町が改修を進めていた同町阿権の古民家「前里屋敷」が完成し18日、オープンセレモニーがあった。家屋は昭和初期の風情を残し、集落のシンボルとして住民に親しまれている。出席者は家屋の再生を喜び、地域住民の集いの場や観光資源としての活用に期待した。
前里屋敷は第3代戸長(現在の町村長)だった平福鼎氏の邸宅で、「前里」は屋号が由来。現在の家屋は90年以上前に建てられたとされるが、屋敷自体の歴史はさらに古く詳しい年代は不明だという。直系子孫の広瀬玲子さん(出水市在住)が所有していたが高齢で管理が難しくなったため2013年9月、町に土地と建物を寄贈した。
町は総事業費4410万円をかけ、木造平屋建ての母屋(床面積約180平方メートル)と馬小屋だった別棟(同約30平方メートル)を改修。空調や照明、キッチンやトイレを整備し、コミュニティースペースとして再生した。
式典には約40人が出席。大久保明町長は「集落のシンボルで多くの可能性がある施設。いろんな意見を集めながら多くの人々が集う場として活用してほしい」と期待。広瀬さん(代読)は「再生された屋敷を写真で見て心に明かりがともる思い。末永く触れ合いの場となってくれれば」とメッセージを寄せた。

「前里屋敷」母屋の屋内=18日、伊仙町阿権
家屋の修繕に当たり、戦時中に機銃掃射された銃弾の跡などは手を付けず歴史を感じられるように配慮。敷地内には昔ながらの石垣、石灯籠、井戸や池、ガジュマルの巨木や防空壕なども残る。
広瀬さんのいとこの平陽子さん(72)=阿権=は「一族だけでなく集落の人にも開放され、大人たちが囲碁などを楽しんでいた」と懐かしみ、「屋敷が生まれ変わって先祖も喜んでいると思う。かつてのにぎわいを取り戻せるよう、私も住民の一人としてカフェやイベントなどで活用したい」と笑顔を見せた。
施設は19日に利用開始。母屋は2棟に分かれており、利用料はいずれも4時間700円、1日1100円。イベント広場としての利用を想定している別棟は4時間500円、1日800円(母屋、別棟とも午後5時~同9時の利用は300円増)となっている。
施設利用に関する問い合わせは電話0997(86)3111役場未来創生課へ。
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