能代伝統「役七夕」 2年ぶり城郭灯籠練る

柳若組が1年越しの役七夕を運行。規模を縮小したが、城郭灯籠やシャチ灯籠が浮かび上がった(6日午後7時25分ごろ、能代市住吉町で)
能代伝統「役七夕」は6日、能代市内で行われた。新型コロナウイルス感染症の影響で昨夏の運行を断念した柳若組が城郭灯籠やシャチ灯籠などを繰り出し、1年越しの運行を実現。感染拡大防止の観点から、関係者はマスクやマウスシールドなどを装着して練り歩いた。道中ばやしが奏でられる中、日が暮れた街に色鮮やかな灯籠が浮かび上がり、役七夕関係者や見物客は疫病退散を願った。
役七夕は、市中心部の五町組(大町組、上町組、万町組、清助町組、柳若組)による輪番制で運行。それぞれの町組に5年に1度出番が回る。
柳若組は、五町組の中で最も多い9若で構成。昨年が運行当番の年に当たっていたが、新型ウイルス感染拡大を受けて中止とし、他の町組の理解を得て今夏に延期した。運行を取り仕切る大丁は昭和55年以来約40年ぶりに新柳若が務めた。
コロナ禍で運行人員や運営費が限られる中、9若のうち6若が運行する態度を示し、新柳若と住若は城郭灯籠、柳若と柳新若、栄若はシャチ灯籠のみ、後若は高張ちょうちんを出した。
この日の能代市能代地域は最高気温が33度を超える祭り日和となった。同市景林町に設けられた新柳若会所で午後6時から出陣式を行った後、6若が合同運行を開始。運行経路は簡略化、所要時間も短縮し、風の松原通りを進み、JR能代駅前でUターン、再び風の松原通りを練り歩いた。
田楽や太鼓、笛、引き手などの運行関係者はマスクやマウスシールドを装着。道中ばやしを奏でながらも掛け声は控えめにしたり、大休止は実施せずに各自で水分を補給したりと、新型ウイルス感染予防と熱中症対策に対応して運行した。
日が沈んだ街には5基の灯籠とともに、七夕絵巻が浮かび上がり、コロナ禍であっても役七夕関係者が伝統を継承し、無病息災を願う心意気を示した。
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